デビルとビクトリア・前
日常茶飯11
「ちょ、変やない?
「別にどれだってお腹出てるよ」
「そこやなくて!!」
「平気平気、似合ってるってば」
鏡に向かって悩み続ける
「これにしよ、これ。もー変えへん」
「結局最初のじゃん」
「わからんくなってもうてん!!」
「ほら、待ち合わせの時間過ぎちゃうよ」
半笑いの
「じゃ、いっ、行ってくる!!」
「行ってらっしゃーい」
ニコニコと手を振る
今夜は
リムジンとかで迎え行ったらカッコよかってんかな…けど、‘あんまり目立っても困るじゃない’て
スケジュールの隙間を縫い時間を空けてくれる
特に今回は、新作映画の主演女優に決まったお祝いも兼ねて値の張る──
交差点、曲がり角のところにあるコンビニの傍に
目の前に車をつけウィンドウをおろすと、
「お迎えありがとう
先に言われてしまった。
「あ、せ、せやったらええんやけど…
噛んだわ。
わぁいと喜ぶ
辿り着いたのは高層ホテルの上階に位置するレストラン。なかなか予約の取れない人気店の個室に
選んだメニューは主食の
「心配してるの?」
「えっ!?いや、しとら…」
───素直にいこう。カッコ悪くても。
「しとる。楽しんでもらえとるかなとか、満足させられててんかなとか、またデー…ご飯付き合ってもらえるんかなとか」
「俺は
全然言葉がまとまらない。何を伝えたいのか俺は。唇をモゴモゴさせる
「
それは良かった、頑張りが報われ───ん?今‘好き’って言われた?いや一般論か。そういう人が好ましいということか。俺は好ましいということ?いやいや。そりゃ多少は気に入ってくれていると思うが。いやいやいや。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます