瑣末と休日・前
日常茶飯9
─────調子に乗ってるな。
1人ベランダで煙草をふかす
馴染みの風俗店に挨拶して回り、付き合いのあるマフィアの事務所やアジトを覗き、商人仲間や顧客と連絡を取り、新しく運ばれてきた商品の確認をし、出勤してくるキャストの様子を見るため花街をもう一回りし、帰宅。今日は割と早目に自宅に着いた。誰かと会う約束も無い、久々にのんびりとした夜。
調子に乗っているのは、ここのところ
機体のラッピングには【福珠宝】の文字。中華航空とタイアップしてたっけ?深圳あたりにあった会社のはずだ、香港に新しく店舗を出したとか何とか聞いたな…。どこだっけ、
この建物からの景色はそこそこ綺麗だ。花街に面した中流階級寄りのビルの高層階。特に住居にこだわりはないが、
ふいに携帯が光る。
でも、料理オーダーするとどっさり買ってくるんだよなぁ…俺が1人で居る時はあんまり飯食わないのバレてるから…。
…
花街の女の子達からプレゼントされたお菓子がある。少し2人でつまんで、残りは
ほどなくして
「あのさ、西合楼
「先月のですか?いや特には…あれ以来動きあらへんと思いますけど」
その返答を聞き、
そうなると、組織から足切りされたのかな。だから焦ってこっちのルートを欲しがってるとか。上手く飼い慣らせないこともないけど、台灣のグループとのイザコザは解消されないな。まぁ
どっちか
なんやトラブルですかと問う
だが
外での話には手を貸せず不満そうにする
「どっちにしようかなぁ…」
再びベランダにて煙草をふかし、
どこからか、誰かが弾いている二胡の音色が聴こえた。侘しくて物悲しくて不思議と懐かしい。城塞ではよく中国音楽が流れており、ラジオからだったり生演奏だったり様々だ。仲間内で音楽好きを
と、
週末。香港。
「決めた」
小さく言って携帯を
トランクはある。現金どのくらい家に置いてたっけ?パンパンに詰めても
計画を立て終えると
きっかけなど、いつだって些細な事なのだ。
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