桑塔納と鍾意
千錯万綜17
それから。
【神豹】系列の連中へと送ったメッセージは文句無しに機能。
例の角頭も次代が襲名し、九龍と再度友好な関係を築くと明言。
さしあたり城塞に平和──そう、平和──が訪れることとなる。
「ほんと、来たのも急だけど居なくなんのも急だよね」
色々な事にカタが付き周辺が落ち着いてきた矢先、
理由を聞けば、地元にはそれなりに顔見知りのガキ共が居る、今回のゴタゴタに巻き込まれそうなのを放っておけないので今後の生活や仕事について少し手助けしにいくと。
そこまで
空港まで送ってくれよと
「
「あるよ。そう言うと思って」
指に挟んだ煙草を振る
ウィンドウを開けると湿った風が肌を濡らす。煙草シケりそうだなと零す
空港へ着き、適当に車を停め、出発時刻まで時間を潰す。特にすることも無いので
途中で
「
「ん?うん…出すけど…」
ケラケラ笑う
そうこうしているうちに時は経ち、電光掲示板に映る‘上海’の文字。じゃあ行くわ!と、軽い調子で立ちあがる
「
5メートルほど距離があいたところで
呼んだはいいが。何を言えばいいんだ。
「……早く帰ってこいよ」
口にしたあとで、帰ってこいは変だったかと内心焦る。これじゃあまるでここが
いつも通りにパーカーの紐を掴むと、グッと引き寄せて、キスをした。
「……待ってろよ?」
唇を離して悪戯に笑い、手を振って搭乗口へと歩いていく
乗り場を行き交う人の波。いつまでもここにいても仕方ない…大きく息を吐いて、帰路につこうと後ろを見やる。と。
壁際から、よく知った頭が3つ覗いていた。
「嘘でしょ…」
掠れた声で
「見ーちゃった」
「良かったやん」
「
「やめてよ恥ずかしい!!」
謎の賛辞に
「来るんならみんなで一緒に車乗ってきたら良かったじゃん!!」
「そんなん面白くねぇだろが。コッソリ来たからイイもん見れたんだろ、なぁ?」
「
「せやな」
「もう!!」
ほどなくして、通路の向こうから腕に様々な店の紙袋を提げた
「
明らかにキャパオーバーな大量のショッパーを目にして、
「
「うわ、すんません!
「言った!ちゃんとみんなの分もあるし!」
こともなげに答える
「でさぁ、結局面白いもの見れたの?」
「見れたよ。
「ええやろ俺の話は!!」
「何で内緒にしてるのよぉ…
「はまひひゃはふひはほほほっへ」
「なんて?」
「もーいいから飯行こうぜ。
やいやい言いながら一同は出発ロビーを後にし、フードコートへ向かう。
〈────
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