花火と夜もすがら・後
千錯万綜16
1人また1人。着実に減っていくゴロツキ。と、港とは反対の方面へ逃げゆく男の背中を視界に捉えた
「お前が殺したんだよな?ウチの
こいつだという証拠はないが、確信めいた物はあった。友人が‘兄弟分だ’と目にかけていた男、1番スムーズに
その友人だって
やけに愛らしい女だった。
───
いつか褒められた時に適当にあしらったら、頬をプゥと
「アイツだって…裏では、テメェの情報も売ってたんだぜ…」
銃を突き付けられた男が途切れ途切れに吐き捨て、
だからどうだっていうんだ?保身の為に他人を売るのは普通だろう、どんな綺麗な世界に住んでいるつもりだ?
ただ自分の中で、アイツは友達だった。なら別にそれでいい。どっちだっていい、何でもかんでも。結局そんなもんだ。
正しいことなんてひとつも無い。
トリガーに指をかける
銃声に重なって、サンキュ、と小さく
埠頭へ戻ると、
「計画通りだな」
男が口を開く。どうやら【神豹】側のリーダーのようだ。
いくら血生臭い抗争になったとて、両者独り残らず相打ちするなんて稀なこと。どうしてこんな結末を迎えたのか?…答えがこの男。
「なんだ?」
「なにも?それより、俺達の
首をおかしな方向へ傾けたまま地べたで動かない男を見詰め、考え込む
「なんていうか…こういう人って…なんで、自分は裏切るのに、自分が裏切られることはないと思ってるんだろう」
「あははっ!んー、
愉快そうに笑う
そろそろ野次馬が集まりそうだと
城塞へと走る
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます