出発進行と時間稼ぎ
旧雨今雨12
夜も更け、九龍灣に怪しげな
そんな中、暗がりで微かに揺れる2隻の船の灯り。
「時間通りだな」
「商売の基本だろ」
埠頭で待っていた
「もう
「
男は笑い、先導すると言い残すと船内へと姿を消した。そこそこ立派な船体だ。ちょっとしたラグジュアリーライナー、新天地への夢の架け橋としてはいい演出。
霧が煙る。視界が悪いのは都合が良い…罠を張る側にとっても、ズラかる側にとっても。
「出発だ。事故んなよ
「そのつもりですけどね」
「気張れよ、今回他にやることねぇんだから。
「えっ!!
「うわ声デケェな
「はいはい、行きますよー」
ワチャワチャした気の抜けた会話の後、船はゆっくりと黒い海へ発進した。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
他方、九龍城砦内。
にしても、奴らそろそろ現れるはずなんだけど。
その時、後ろからガヤガヤと人々の話し声が聞こえた。
空っぽのコンテナの中に慌てて身を潜める
こっちか。当たりは。
バカラの
〈
数秒後、すぐに返信。
〈
到着まで5分か。このままここに隠れていればなんとかなりそう。
ガコッ、と嫌な音がした。
「へ?」
急に頭上から光が差す。見上げると、上部の留め具が外れ鉄板がゆっくりと
「……
鉄板とともに倒れ込んだ
なんとか誤魔化せないものかと
「お前…あのガキと居たな?」
あのガキ?眉をひそめる
あっ、
「一般市民にその対応は宜しくないですよ」
ヘラッと笑う
ほんとだ、けっこうブワッといくな…レビューに偽り無し。そう感心しながら
その
急いで起き上がろうとするも正面の男達は全員戦闘態勢。いささか惜しいが、
怒鳴り声、向かってくる刃、これは死んだ…胸の中で十字を切る
刹那、屋根についている窓が盛大に割れて、上から誰かが降ってきた。
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