VIPとロリータ
旧雨今雨9
【宵城】VIPルーム。談笑する声。
「で、何か用事があって来たんだろ」
男は薄い笑みを浮かべて頷く。
「
──────きた。
「有り難いね。俺は
「九龍
「
なるほど、と男は笑う。そして手順を話し始めた。
近日中には店を畳み、また新たに富裕層地域側で店を開く。スタッフは九龍で雇った何名かを
その時に【宵城】からも取引先へ女性を
「中継ぎしてくれるってわけか」
「あぁ。しかしマージンで2割はもらうぞ」
「おい、見くびんなよ」
険しい顔での返答に一触即発の雰囲気が漂ったが、
「3割やる」
その言葉に男は破顔。太っ腹だな、と
「何人くらい用意出来る?」
「まぁ…じゃあこっちも同じ人数で」
「スペックは」
「上の下」
「上の上は?」
「初手から
ニヤける
「けどそうだな、もし見てぇっつーなら…」
ウェイターを呼び小声で何か呟く。暫くして、扉が開き1人の少女が姿を現した。
フリルのついたドレスで着飾った身体は華奢で色白。まだあどけない顔に大きな瞳、けぶるようなまつ毛が頬に影を落としている。微笑んで軽くお辞儀をすると長い黒髪が揺れ、紅く染まる唇が動き‘はじめまして’と柔らかい声が響いた。
男の目が輝く。
「上の上ってんなら、これだ。
少女は男の隣に着席し、酒を作りはじめる。胸や腰のラインがハッキリするセクシーな服装ではないが、純白のふんわりとした衣装は可憐さを引き立て非常に愛らしい。どうぞ、と無邪気そうにニッコリしてグラスを差し出す。純真無垢。
頭頂部から爪先まで全身を舐め回すような男の視線を
「下がれ、
少女は席を立ち、また軽くお辞儀をして去っていく。男はレベルの高さに納得したようだ。気に入ったんならアンタ専用にしてもいいぜと
そして取引の日時や詳細等は追って連絡すると約束し、喜色満面で退店して行った。
出口まで男に付き添った
「物覚えが良過ぎるだろ」
愉快そうに笑い、会計が高くつきそうだと呟きながら火種を頂戴する
「どうだった?」
「完璧。
ウイッグをかぶった頭をワシャワシャ撫でられ、
ストローを噛む
「でも、もっと綺麗なお姉さんいっぱいいるのに」
「あいつロリコンっぽかったからな」
【宵城】は
「ねぇ
「あぁ?俺も写んのかよ」
変装と作戦が上手くいったことにハシャぐ
どんどん増えていく写真を眺めながら、後で全部
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