過去とSSR
枯樹生華 6
唐突な告白に、一同は驚き目を丸くした。
【黑龍】は香港で活動するマフィアの中でもかなりの大組織、黒社会でその名を知らない人間は居ない。
現在の
「子供たくさんいるから、立場としては大したものじゃないんだけど」
「いや大したものやろ」
そんな中で、妙におとなしい
「
「……知ラナイ」
嘘っぽかった。
「
「……話シテナイ」
「つうか
ペラペラと人に喋れるような内容ではなく、バレてしまえば余計なトラブルに巻き込まれる───今もまさにそうだ───のは想像に難くない。命だって狙われるかも。
そんな
みんなを信頼している。隠すような事なんて何も無い。
ひと通り話すと
「もう俺【
駄目だったかな?と何だか申し訳なさそうな顔をする
「駄目な訳あるかい!!!!」
「うわっ!うるせぇな」
真横に居た
「俺らは
両親を亡くして九龍でさまよった末、皆と出会い‘家族’を得た経験が今の
大組織の息子ということで私利私欲の為に擦り寄る者もいるだろう。権力に期待し利益を享受しようとする者や、虎の威を借りようとする者も。
だがここに居るメンバーは【黑龍】の事などは関係なく、
「んなこたイチイチ言わなくても伝わってんだよ。座れよ
「
「それを踏まえると、
短くなったタバコを灰皿で揉み消しながら、
「まぁ後ろ盾までイケなくても、
パイプの灰を床に落としつつ答える
現在の関係性はどうであれ
「でもこれ、知ってる人少ないんだけどな」
帽子の
そこで、これまでだんまりを決め込んでいた
「…【黑龍】の薬師から、漏れたんだと思いマス」
金の為なら何でもする奴で、腕は良かったので多少の問題には目を
その後【黑龍】の情報をあちこちへ見境なく売って稼いでいたが、ここ最近、ついに痺れを切らした【黑龍】の人間に殺された…ということだった。
なるほど、それはわかった。しかし
「何で知ってるん?さっきも驚いてへんかったし」
「…俺も【黑龍】の薬師だったからデス」
観念し白状する
「え、
「
「俺のこと知ってたの?」
「知ってた。ていうかね、俺、
ちっちゃい時から見てて、ほっとけなくて。と肩をすくめる
他の理由としては、過去に同胞を助けられなかったことから今度こそは助けたいと思った…というのも少なからずあった。別に自分に何が出来るという訳ではなかったが、せめて近くで見守っていたかったのだ。
全員が得心する。これで
生い立ちからここまでの経緯を傍で見ているうちに、
「…そうなんだ。ありがとう、
なんとなしに気恥かしそうにしている
「え!?レア!!SSR!!!!」
滅多に笑顔を見せない
起き上がった時にはもう
「とにかく…その
舌打ちをする
そもそも、薬師の情報をもとに最初から
偶然を装って
「まぁ、先ずは裏取ってみよっか。今はまだ憶測でしかないから」
そう言いながらも
その日は暗くなるまで皆で【東風】で過ごし、いつも通り
【東風】の面々を気に入ったらしく、また遊びに来てもいいかしきりに聞いてくる
去っていく
ここからだ。
さっき皆でたてた仮説が正しいとして、自分達と
頭を
今まで通り
だが数日後。意図せず露見した
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