初戦とファイティングスピリット
喧嘩商売2
翌日、夕刻。
皆で【東風】に集まり龍津路へ。奥の広場はすでにギャラリーで埋まっていて、その顔ぶれは半グレ達や近隣住民、ただの喧嘩好きな一般人など様々だ。
抵抗する
泣きそうな太っちょにチビの酔っ払い、はしゃぐ子供にヤル気の感じられない優男、そしてふざけたタオルを巻いた怪我人。
本当に勝負をしにきたのかどうか疑わしいメンツだ。
「この前は世話かけたな、俺が【宵城】の城主だ。約束通り【
パイプをふかしながら
「あの審判のおじさん、光明街の
「え?あのお気に入りって言ってた所?」
「うん、すっごい美味しいんだよ!いっぱい種類もあったし色々トッピングも出来るし最高!今度
「へー、俺お茶系の味がいいなぁ」
決闘寸前とは思えない、のほほんとした
なんでほのぼのしとんねん、ちゅうかこのオッサン
時刻は間もなく18時。あたりが静まり返った。あと10秒、9秒、8、7──────3、2、1。
「それでは【獣幇】対【東風】【宵城】、先鋒戦────始め!!」
意外によく通る声で
同時に、男の右ストレートが
「痛ぁ!!」
額を押さえてしゃがみ込む。そのおかげで、2発目のストレートは回避できた。
デコに喰らったパンチのせいで少し後ろへと傾いていた身体をゴロンと後転させ、飛んできたキックを避ける。なんとか立ち上がり男と距離をとった。
敵の拳を右に左にとどうにか
20秒。嘘やろ。
が、ちょうど男が目の前に来ていて、上手い具合にタックルをかますかっこうになった。そのまま2人で地面に倒れ込む。
観客から歓声が上がり、オラァやれ!!と
上を取った
どうにかこうにかこのまま立ち上がらせたくない、攻撃を避け続けるのは厳し過ぎる。だが向こうも
その隙を突いて男が
危ない!!ナイスガード!!などと思ったのも束の間、横っ腹に重たい蹴りをお見舞いされた
「いっ…ゲホ、っ、痛ぁ…」
「グッジョブ
「死んでまう…」
「こんぐれぇで死ぬかよ、行け!」
もうヤケクソだ、その勢いで男めがけて突っ込もうとし、石に
もう一発、と蹴りかけた足を掴まれ引き倒される。立ち上がった男にジャイアントスイングばりに振り回されて放られ、図らずも
「あと1分!行け
「無理…死ぬて…」
「ちっ、ヘタレが。じゃあ30秒でいーよ」
舌打ちする
数発当たったが、ゴロゴロ転がりながら敵の反対側に回る。
カッコつかない戦い方だがなんとでも言え。出来得る最大限のことをしているだけだ。
逃げて、避けて、くらって、逃げて。 10秒。20秒。HPが削られていく。 30秒、もう限界だ…
やった!やりきった!
フラフラしつつ、
こいつはどうもストレートパンチが好きなようだ、また右ストレートでくるだろう。こっちだって渾身の一撃を打ってやる。
いくぞ、いくぞ、いくぞ─────今だ。
「っウラぁ!!」
思いのほか気合が入って、
視界が反転し、
「そこまで!!勝者、【獣幇】!!」
「
そう言って
スカウト料とは、
第2戦。
デカイのだ。2mあるんじゃないか?それに比べて猫の背丈は160cm前後だ。
「ゴリラかよ…」
デカいうえに筋肉もついている。
「それでは【獣幇】対【東風】【宵城】、中堅戦────始め!!」
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