第17話 新たなグループ?
そして、円満にデートは終わり。駅前で別れる。
明智君は、男の責務に置いて、千夏ちゃんを送っていくそうだ。
うーん。明智さん普通だけど、まあ良いか。
恋愛の練習。多分ここから、始めれば良いわ。あの人なら、別れた後も、後腐れなくいけそうだし。
家に入って行く千夏を見送る。
明智君。さすがに今日はのぞきは諦めたようだ。
実はかなり熱がある。38度越え、実はふらふら。
そしてふらふらしながら、帰って行く。
そして、もう1グループ。
「どうする?」
「駅前だと、また絡まれそうだし。また海でボートを探すかな?」
「何それ?」
「うん? まあ、借金ができて、首の回らない子を、離島に連れて行って。なんていう事をしていたグループとか? それだけでも、無かったようだけど。まあなぜか、コンテナ全損から、一切姿を見なくなったんだよね」
「なまはげね。悪い子、いねがぁって」
「聞いた事がある。秋田だったよね」
そう言いながら、二つほど横の駅近くにある、公園へやって来た。
ここは、山に近く。そちら側が、自然公園的な所になっている。
「ここって、アスレチックもあったりするのよね」
「いく? ごー」
そう言って二人が走って行ってしまった。
薄暗い、公園で一人。
ひたひたと、足音がすれば、絶叫をして逃げる用意はできている。
うん? 二人から恐怖が伝わる。
「こっちだな」
二人の、姿は何処かな?
「ああ。いたいた。新しいプレイかな?」
二人は、蜘蛛の巣に張り付いて、ジタバタしている。
「総。ごめんなさい。捕まっちゃった」
「私も。同じく」
「相手は?」
「さっき。催涙のガスを出したら逃げた」
花蓮もとっさに、攻撃種別を選択できるくらいにはなったのか。
よしよし。
「そうか。そっちだな。とその前に」
蜘蛛の糸を食らっていく。
「ひゃー参った。がっちりくっ付いたら取れないわ。剥げるわこれ」
「ほんとそう。こまるわ。あっまだ髪にくっ付いてる。総。取って」
「困るね、人がちょっと目を離した隙に。特殊な薬剤がないと取れないはずなのに」
「うん?ああ。ちょっと待って」
「人が話しているのに、無視をするな」
「えっ。虫だけに?」
「蜘蛛は虫じゃない」
「そうなんだ。ありがとね」
ちょっとからかいながら、花蓮に話を聞いていた。
「糸って、お尻から出たの?」
「手だと思う。お尻からだといやだわ」
「よし取れた。蜘蛛の糸はタンパク質で、塩化カルシウムとかで溶けるはず。にがりの成分だね」
「豆腐を固める奴」
「そうそう」
そう言っていると、くみから。いちゃいちゃしない。と突っ込みが入る。
まあ彼の方も起こったのか、某アメコミヒーローのように攻撃をしてくる。
でも周りには、すでに塩化カルシウムが、花蓮により散布されている。
便利だな。
「むう」
と、くみが唸り。針を飛ばし始めた。
おおこれは、鬼○郎じゃないか。
くみもやるな。
「痛て、痛て、痛て」
命中。本人は分かっていないが、動きがスローモーションになってきている。
「くみ。今の成分は何?」
「多分麻痺」
「よし」
スタスタと、近付いていき。声をかける。
「ここは、君の餌場かな」
「だったら何だ?」
「一人かな?」
「知らないね」
やっぱり。背後で集まってきている気配がする。
「花蓮。麻痺散布」
「りょ」
ぶわっと、何かが広がっていく。
静謐な風。
ただし毒。
周辺に居た者達は、訳の分からないうちに力が抜け跪いていく。
「うーん。完璧だろう」
そう言って、周りを見に行き。近くに集めてくる。
「見事に男ばかり」
全員で五人。
見ると、爪を伸ばしたり針が出たり。
「やっぱり。くみのタイプが多いのかな」
「えーそうなの?なんかやだ」
腕を組んで怒っているが、花蓮が居るせいか、一生懸命腕を組むのに寄せてあげようとしているのが分かる。
思わず、頭をなでる。
「えっえっ。どうして」
「いやなんとなく。かわいいよ」
そう言うと、ぼふっと赤くなる。
「さてと、君達はチームでも組んでいるの?」
「返事はなしか」
「どうしたの?もう良いじゃん。さっさと済まそう」
「でもなあ。あいつが。一美がチームを組んでいただろう」
「そうなの? 一美って朝の娘?」
「言ってなかったか?」
「「うん」」
二人とも、返事と共ににらまれた。
「あいつ。幼馴染みなんだが。あそこの近くを縄張りにしていて、明智が引っかかってさ。その時に。20人くらいのグループだったんだよ」
「そうなんだ。でも私たち。頑張るから。他は必要ないよ」
くみが握りこぶしを作り。断言する。
「うん。くみの言うとおり。必要ない」
「分かった。くみも全員に攻撃をして。すんだら終わらすから」
「うん。えいっ」
全員に、細かい針が飛んでいく。
「じゃあ良いかな」
その場全員を、一気に食らう。
「総の力って、やっぱりずるだよね」
「そうかなあ。便利ではあるけどね」
周辺に、影を広げて、気配を拾う。
「終わったな。帰るか」
くみがいやそうな顔をしているが、連れて帰る。
「人が来なくて、良い雰囲気だったのに」
「外だぞ」
「この際外でも良い」
必死なくみに、花蓮が笑顔を浮かべる。
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