第124話 システム異常?
◇◇◇◇◇
渋谷ゲートが開放された翌日の朝。
ゲートをくぐって、ネオ・ダイアモンズ一同揃っての久々のゲート内異世界に突入。
まず、目に入ったゲート脇にある販売ショップは臨時休業になっているみたいだ。
事情はよく分からないが、源さんたちもエクスプローラに再登録したって言ってたから、それに関係してるのかも。
だけど、装備も充実したし、当分行く必要も無さそうだ。
そして、もう一つの目に付く存在があった。
龍太郎:「カレン!それか!?」
カレン:「うん。見せたかったやつ!
これ、すごくない?
カレン・エンジェルバージョン!
翼の根元のところがさぁ、くっついてないんだよ!だから、装備してても大丈夫なんだ。
不思議だよね?
でさ。龍太郎と同じく、翔べるようになったんだよ。ほら見て!」
カレンは、背中の大きな白い翼を羽ばたかせて、空中へと舞い上がった。
龍太郎:「ふえー!すげー!本物じゃん!」
すごく優雅に翔んでるなぁ!
俺の場合、翔ぶというより浮遊して進むって感じだからなぁ。
カレン:「どう?あとね。これで防御態勢も出来るんだよ。
こうやって、翼で体を包むとね!
みんな、スキルが使えるようになってさ、私だけ、ちょっとね。
でも、これでちょっとはパワーアップしてるんじゃないかな?」
龍太郎:「おぅ。すごいと思うぞ。」
なんか、カレンが嬉しそう。良かった。
華那がそれらしいこと言ってたからな。
龍太郎:「でさ。カレン。あれも見てよ。」
カレン:「あ!そうだったね!?」
龍太郎は、収納箱から以前ゲットした謎の宝箱を取り出した。
カレンから、天使の翼が謎の宝箱から出てきたということを聞いて、これもいけるんじゃないかと試してみることに。
龍太郎:「どう?読める?」
カレン:「うーん。読めないね。
でも、やっぱり手を乗せるって感じかな?
たぶん、適性みたいなものがあると思う。」
龍太郎:「じゃあ、カレンやってみてよ。」
まず、試しにカレンがその宝箱に手を乗せるも何も起こらなかった。
それを見たメンバーは、私もやりたい!と言って次々に乗せていったが、残念ながら全員が特に何も起こることなく、シーンとしていた。
最後に龍太郎の番。
龍太郎:「もしかしてぇ!やっぱ俺かぁ!」
ワクワクして宝箱の上に手を乗せた。
シーン……。
龍太郎:「何じゃそりゃ!
誰も何も起こらないって!」
カレン:「まあ、あくまで感覚だから。
なんかもっと必要なことがあるのかも。」
龍太郎:「せっかく謎が解けると思ったのになぁ。この件は保留かぁ。」
結局、宝箱は謎のまま。
気を取り直して、みんなで同伴転移。
目的地のミズシマダンジョンへ向かった。
◇◇◇◇◇
ミズシマダンジョン第三階層。
すでにマッピングが終わってる第一、第二階層は、ほぼ素通り状態で駆け抜けていった。
龍太郎:「なぁ。ここって第何階層まであるんだったっけ?」
華那:「第五階層だよ。」
龍太郎:「じゃあ、この階層もサクッと行っちゃいますか?」
華那:「そうなんだ。行っちゃうんだね?」
龍太郎は、龍次郎に先行させてオートマッピングをさせている。
龍太郎の先導の元、と言うかアイちゃんの先導の元、モンスターのいる方向に進んでいく。
少し行くとモンスター軍団発見!
龍太郎:「お!いたな。最初は俺な!
ちょっと待っててくれ。」
龍太郎は、新種のモンスターなので、とりあえずスキルゲッチュの行動を起こした。
第三階層のモンスターは、ガイコツマン。
筋肉隆々のボディに顔がガイコツというなんともアンバランスな容姿を持つ。
悪の秘密結社にいそうな感じだ。
こいつらは、ゴリゴリの武闘派集団らしいが、さて、どんなスキルを持っているのかな?
早速、龍太郎はスキル鑑定をしたが……。
あれ!?スキルが視えねえ!なんで!?
こいつらスキル持ってないのか?
龍太郎:『ちょっと、アイちゃん!
こいつらスキル持ってないみたいなんだけど……。』
AI:〈え?そうなの?
必ず持ってると思うけど、僕にも分からないよ。〉
龍太郎:『そうだよなぁ。
ちょっと確認してみるか。』
龍太郎は、ガイコツマンの集団に素早く近づき、まずは先頭にいるガイコツマンに衝撃剛拳をお見舞いした。
ガイコツマンは、その頭部のガイコツを粉々に破壊されて、マッチョボディのみがその場に落ちた。やはり、あっけない。
スピードもパワーも圧倒的に龍太郎が優っている。ここでも余裕の龍太郎。
ただし、いつも初回討伐のモンスターで聞こえるはずの機械音が聞こえない。
ガイコツマンの集団は、突如現れた龍太郎に気付いて、襲いかかってくるも龍太郎はことごとく瞬殺(粉砕)していく。
龍太郎は、分析スキルでガイコツマンの弱点が頭部のガイコツであることは分析済み。
たぶん、ボディはかなり強化されているのであろうと推測していた。
まあ、今の龍太郎の敵では無いかもしれないが……。
ガイコツマンを手当たり次第に討伐していく傍ら、アイちゃんとの会話も同時並行に行っていた。
龍太郎:『アイちゃん!やっぱり、頭の中に機械音がしねぇ。』
AI:〈そうなんだね。スキルを持ってないモンスターがいるってことだね?それは謎。〉
龍太郎:『もう!無駄骨かよ!
ガイコツだけに……。』
AI:〈……そういうのいいから。〉
龍太郎:『なんだよ!うまいだろ?』
AI:〈はいはい。〉
龍太郎は、アイちゃんに軽くあしらわれて、みんなのところに戻って来た。
龍太郎:「ガイコツマンはたいしたことないけど、スキル無し。美味しくない。
この階層も駆け抜けていいか?」
カレン:「へぇ。そうなんだね。別にいいよ。」
◇◇◇◇◇
ミズシマダンジョン第四階層。
速攻マッピングで駆け抜けた御一行様が第四階層に到着。
第四階層も龍次郎がオートマッピング継続中。これのおかげで、ほぼ迷うこと無し。
アイちゃんナビゲーションも完璧。
ここでもすぐにモンスターを発見した。
が、ものすごく見た目が気持ち悪い。
女性陣は、この階層こそ駆け抜けたい気持ちでいっぱいであった。
第四階層のモンスターはグルグルグール。
いわゆる
全身緑色で溶けそうな体がグルグル
龍太郎:「ちょっと行ってくるぞ!」
玲奈:「いってらっしゃーい!」
まずはスキル鑑定っと!
なんだとぉ!こいつもスキル持ってねぇ!
もう!気持ち悪いだけかよ!なんだよ!
龍太郎は、気持ちの悪いのを我慢して、グルグルグールの目の前に現れ、触れたくないのを我慢して衝撃剛拳をグルグルグールの顔面に放った。
グルグルグールの顔面は、破裂するように後方に吹き飛んだ。
グチャ!
うぇー!気持ち悪いー!
だが、やはり今回も機械音は聞こえない。
龍太郎:『アイちゃん!こいつもスキル無しだ!
なんじゃこりゃ!ここはハズレだな。』
AI:〈ちょっと変だよね?〉
龍太郎:『気持ち悪いし、スキルないし、ドロドロだし、こいつ腐ってるぞ!』
AI:〈何だろ?違和感がするよね?
マスター。豪運娘たちのスキルって視える?〉
龍太郎:『え?そりゃもち視えるだろ。』
龍太郎は振り返って、カレンを見て久々のスキル鑑定をした。
すると、カレンのスキルも確認出来ない!
龍太郎:『えー!?視えなくなってるぞ!
え?どういうことですかぁ?』
AI:〈やっぱり違和感が当たってたんだね。
モンスターのスキルが無いんじゃなくて、マスターのスキル鑑定が出来なくなったんじゃない?〉
龍太郎:『う、うっそーん!なぜ?』
AI:〈しかも、今はスキル登録も出来ないんだよね?
ひょっとしたら、マリアが言ってたシステム暴走と関係があるのかも。〉
龍太郎:『もう、これ以上スキル登録が出来ないってことかよ!最悪だー!』
AI:〈でも、マスターがすでに持ってるスキルは使えてるんだよね?
スキル鑑定と登録だけが出来なくなったってことかなぁ?
ちょっと気になるから、ステータスボードを確認してみようよ。〉
龍太郎:『そうだな!頼むぞ!』
ステータスボード!
【個体情報】天堂龍太郎 20歳 人間族
【個体強度】レベル22
【固有超能】超能王
【解放超能】超覇気・支配・影武者・監獄長・転移・収納箱・治癒浄化空間・鋼龍武装・黒炎旋回戦斬・衝撃剛拳・大流星弾・飛翔・重力操作・鼓舞・伝心・毒鉄砲・俯瞰・分析・料理長
【解放魔術】火魔術Ⅰ・水魔術Ⅰ・風魔術Ⅰ・土魔術Ⅰ
【登録超能】豪運※・召喚※・光※・闇※・癒※・心※・擬態※・封印※・超会心※
龍太郎:『うーんと……無くなってはないな!
よし!良かった〜!もう戻りたくない!』
AI:〈とりあえず、良かったね!
だけど、登録超能のところ見てよ。
スキル名の後ろに砂時計が付いてるよ。
前はこんなの無かったよね?〉
龍太郎:『うわー!本当だな!
これってどういう意味?』
AI:〈分からない。でも、砂時計ってスキル登録する時にも出てくるよね?
それからすると、時限的に消えちゃうってことじゃないかな?
どれくらいの時間が期限なのかは分からないけど。〉
龍太郎:『もう!そんなの要らないんだけど〜!システム暴走!早く直して〜!』
龍太郎ピンチ!
スキル登録も出来ない状態で、せっかく登録したスキルまで消えたんじゃたまったもんじゃない!
AI:〈こうなったら仕方ないよね。
スキル登録は諦めて、レベルアップのスキル解放をメインにやっておくしかないよね?〉
龍太郎:『むーん!なんてこったい!
急いでレベルアップするしかないかぁ!
まあ、悔やんでも仕方ないな。』
システム異常によって龍太郎のスキル登録はこれ以上増えないかもしれない事態発生!
これで方針変更を余儀なくされた。
みんなのところに戻って相談だ!
◇◇◇◇◇
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