第71話 ファーストダンジョン2
◇◇◇◇◇
龍太郎、第二階層でのファーストバトル。
ゴブリンズ6体との戦闘で、どれくらいの戦闘力かを見極める必要がある。
メンバーのレベルアップにどうすべきか?
ゴブリンズの防御力はさほどでもないことはわかった。次は攻撃力の確認だ。
龍太郎はあえてゴブリンズの攻撃を待った。
ゴブリンA:「キェー!ケッケ!」
ゴブリンB:「キー!ケェーケ!」
こいつらうるせぇ!早くこいよ!
2体を瞬殺されたのを見たためか、ゴブリンズも慎重になっているみたいだ。
1体が襲いかかってくるのを号令にゴブリンズが一斉に龍太郎に襲いかかった。
うん。確かにこれは速いな。
全体の統率も取れてるみたい。
メンバーじゃ、避けるのは無理かもな。
ただし、龍太郎にとっては難なく躱せる速度ではあった。
ゴブリンズの波状攻撃に対しても、まだまだ余裕がある。
龍太郎は、2本のロングソードを収納箱に格納した。
オーケー!ここからは体術勝負で行くよ!
まずは、ゴブリンズのスキル鑑定!
こいつらのスキルは〈
なんじゃ?どういうスキル?ま、いっか!
次に、ゴブリンズの分析!
こいつらの弱点は首?頸動脈ってことか。
人間と変わらんしな。
オーケー!まずは2体ほど減らすか。
龍太郎は、宙歩で一瞬にして間合いを詰めて、2体の頭上から衝撃砲をお見舞いした!
その2体は、口から血を吐き崩れ落ちた。
そして、機械音カモン!
〈ピピプピプ……他者の超能を確認!〉
〈超能【呼応】を登録しますか?〉
はいはい!登録よ!
〈ピピプピプ……超能【呼応】を登録しました!〉
〈ピピプピプ……超能【呼応】の解放に成功しました。〉
〈ピピプピプ……超能王の効果により超能【呼応】を最適化します。〉
〈ピピプピプ……超能【呼応】は超能【
お!やった!新しいスキルゲッチュ!
龍太郎は、早速スキルを使用した。
龍太郎:『華那!聞こえる?』
華那:『え?何?先生?』
龍太郎:『ああ、新しいスキルを試してる。』
華那:『なんかすごい!脳に直接聞こえるよ!』
龍太郎:『オーケー!使い方がわかった。サンキュ!
華那はゴブリンと戦えそうか?』
華那:『いや、無理無理!
あのスピードは捌ききれないよ!
すぐに攫われちゃう。』
龍太郎:『そっか。じゃあ、ちょっと見ててな!』
残り4体のゴブリン。
龍太郎は、重力操作スキルを使ってゴブリンの動きを重くした。
ゴブリンたちは、苦しそうに必死に動こうとしているが、動作がさっきの半分くらいのスピードになって戸惑っている。
もう、かなりうるさい。黙れ!
龍太郎:『華那!今のゴブリンズの動きはどうだ?』
華那:『うーん。これならなんとかなるかも。
だけど、やっぱちょっと厳しいかも。』
龍太郎:『そっか。わかった。』
じゃあ、最後の手段。
これは多分いけると思う。
超覇気!!
龍太郎は、動きの遅くなったゴブリンズに対して軽めに超覇気を放った。
ボワーン!
と同時に4体のゴブリンズは一瞬にして気絶し、その場に倒れ込んだ。
超覇気、マジでヤバいな。
龍太郎:『華那!もう大丈夫だから、みんなでこっちに来て!』
華那:『あ、うん。わかった。』
華那は、他の3人に話しかけた。
華那:「みんな!先生が呼んでるよ。」
メンバーの他の3人は、不思議そうにしていたが、みんなで龍太郎の元に走った。
華那:「先生!来たよ。すごかったね!」
龍太郎:「ああ。みんなのレベル上げだけど、当分の間、この戦法で行こうと思う。
それぞれ1体ずつ仕留めてみようか。」
パワーレベリングにしても、あまりいい方法ではないが、リスクは取りたくない。
メンバーは、それぞれ持っている剣でゴブリンズの頸動脈を斬って討伐した。
メンバーは、人型モンスターを殺すのは初めてだったらしく、4人とも気分が悪くなったみたいだ。俺はなんともないけど。
みんなに浄化スキルをかけたのだが、今回は心の問題なので、全快することはなかった。
なので、少しの間、休憩することにした。
華那:「先生。ごめんね。」
龍太郎:「ああ、大丈夫だ。気分が良くなるまでここで休んでいこう。」
華那:「うん。ありがとう。」
この感じだと、そんなにすぐには回復しないだろう。
龍太郎:『龍次郎!』
龍次郎:『なんだ?龍太郎。』
龍太郎:『お前、先に行ってくれ。
アイちゃん!龍次郎のマッピング頼む。』
AI:〈オーケー!〉
龍次郎:『じゃあ、龍太郎。先に行くぞ!
第三階層の入り口見つけたら、俺が先に行っておくぞ。いいか?』
龍太郎:『ああ、元々、そういう計画だったからな。
頼んだぞ。』
龍次郎:『ああ、じゃあ。』
影武者龍次郎は、龍太郎たちの元を離れて、単独行動に入った。
ゴブリンズ討伐とマッピングを兼ねて。
◇◇◇◇◇
龍太郎たちが休憩している間に、影武者龍次郎は、ゴブリンズを次々と討伐して進んで行く。
かなり進んだところに新種のモンスターを発見した。
龍次郎:「アイちゃん。あれ何?」
AI:〈あれはビッグゴブリンだね。〉
ビッグゴブリン。
ゴブリンの大型版で肌が赤黒い亜種だ。
ゴブリンよりも動きは遅いが、攻撃力、防御力が強化されている。
ゴブリンと違い単独行動を取る習性がある。
龍次郎:「なるほど。じゃあ、気付かれないうちに殺っちゃうか。」
影武者龍次郎は、ビッグゴブリンに素早く近づき二刀流旋回斬に一刀両断をプラスして斬りつけた。
ビッグゴブリン:「ウギャー!ウギャー!」
一撃では討伐出来なかったが、ビッグゴブリンはその場に倒れて息絶えた。
龍次郎:「こいつもなんとかなるな。」
龍次郎:『龍太郎。見てたか?』
龍太郎:『ああ、弱点は同じみたいだな。
スキルを確認してくれ!』
龍次郎:『おぅ!ん?あれ?視えないな。
これって殺すと視えないのかも?』
龍太郎:『え?そうなの?じゃあ、触ってみれば?』
龍次郎:『おぅ。うん、ダメだな。
機械音はしないぞ。』
龍太郎:『へぇ。そうなのか。わかった。
次会ったら、もう一度確認しよう。』
龍次郎:『了解。これ、肉どうする?』
龍太郎:『いらん!気持ちがついていかない!』
龍次郎:『だよなぁ。コアだけ取っておくぞ。』
龍太郎:『ああ、そうしよう。』
龍次郎:『じゃあ、このまま進んで行くぞ。』
龍太郎:『ああ、頼んだぞ。』
影武者龍次郎は、引き続きマッピングのため、第二階層を爆進していった。
◇◇◇◇◇
龍太郎たちの御一行は、4人娘が回復したらしいので、休憩を終えて討伐を継続するために影武者龍次郎とは反対の方向に歩を進めた。
龍太郎:「お!前方にいるみたいだ。
今度もゴブリンが8体だな。」
華那:「先生。さっきもだけど、なんで見えてないうちからモンスターがいるのが分かるの?」
龍太郎:「ああ、俯瞰視スキルってのを持ってるんだよ。それで見るとある程度の遠くの場所まで確認できるんだ。」
玲奈:「もうさ。今更驚かないけど、先生ってさ。ものすごーくチートだよね?」
龍太郎:「確かにそうだよなぁ。
俺も20歳になるまでは、お前たちと同じようにスキルが使えなかったんだけどな。
もう、これがなかった頃には戻れないな。」
詩音:「へぇ。そうだったんだ。知らなかった。」
龍太郎:「ああ、それまではレベルも1のままだったしな。ほんの1ヶ月前の話だぞ。」
華那:「え?レベル1?嘘!?」
詩音:「じゃあ、今のレベルは?」
龍太郎:「今はレベル3だな。」
玲奈:「嘘!?信じられない!」
詩音:「レベル3って私より下じゃん!?」
龍太郎:「え?そうなのか?
人のレベルって聞いたことないからな。
お前たちはレベルいくつなんだ?」
華那:「うん、私と玲奈と詩音はレベル4。
あーみんだけは先生と同じレベル3だよ。
これでも、相当頑張ったんだよ。」
龍太郎:「だよな。なかなか上がらないよな。
じゃあ、頑張って上げないとな!
ここからは俺がゴブリンズを気絶させていくから、みんなで討伐していってくれ!」
華那:「先生は?」
龍太郎:「俺はいいよ。
みんながレベルアップしてくれれば。」
4人娘:「「「「先生!」」」」
あれ?あれれ?
4人娘が感動して俺に抱きついて来たよ!
変な誤解させてしまったみたい。
俺は龍次郎が狩ってるからなんだけど。
俺の好感度、めっちゃアップしてる?
いや〜、悪い気はしませんな!
というか、めっちゃ気持ちいい!
まあ、誤解は解かないでもいいでしょう。
というわけで!
龍太郎は、一人先行してゴブリンズの前に登場!超覇気やや弱めで、ゴブリンズ全員を気絶させた後に、4人娘に討伐を命じる。
これぞ、パワーレベリング!
ある程度レベルが上がったら、慣れるためにも普通に戦闘をしようと思うが、今は仕方ないよね?
こうして、その後も継続して4人娘のために第二階層をパワーレベリングで突き進んでいき、初日のダンジョン探索終了。
結局、別行動の龍次郎の方もマッピングは進んだが、第三階層の入り口は発見できず。
やはり、ダンジョンは広い!
明日以降もこのダンジョンで、パワーレベリングとマッピングを継続する予定だ。
では、本日の作業は終了です。
みなさん、気をつけて帰りましょう!
◇◇◇◇◇
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