第16話 おうちに帰ろう
◇◇◇◇◇
龍太郎、我が家に到着!
スクーターのエンジンを切って、自分の部屋にダッシュ。部屋の鍵を開けた。
一応、運転中は事故るといけないので、話しかけなかったが、部屋に入るなりすぐさまアイちゃんを呼び出した。
龍太郎:『アイちゃん!』
AI:〈はいはい、わかってるよ。
でも、僕にもわからないことはあるからね。
落ちてない情報は、拾えないんだよ。
そこのところは承知しておいてよ。〉
龍太郎:『ん?まだ、何も言ってないじゃん!』
AI:〈言いそうだから、先に釘を刺しておいたんだよね。
それで、スキルのことだよね?〉
龍太郎:『うん、そう。
モンスターにもスキルがあったんだけど?
そんなの聞いてないよ!』
AI:〈だよね。でもね。その情報はここだけにしておいた方がいいよ。
たぶん、この世界でマスターしか知らない情報だから。僕も知らない情報なんだよね。
もし、この情報を漏らしたら、なぜ知ってるってなるからね。注意してよ。〉
龍太郎:『えー!そうなの!?
またかよ!墓場案件が増えたし……。』
AI:〈そう。墓場まで持っていくんだよ。
でもさ。モンスターにスキルがあったことって、マスター的にはラッキーなことだったんじゃない?
登録出来るスキルが増えたわけだから。〉
龍太郎:『まあ、そうなんだけど。
登録ばかり増えても、実際には使えないんだよな。』
AI:〈そうだねぇ。
こればかりは、個体強度レベルを上げるしかないからね。〉
龍太郎:『それ!そこが一番の悩みなんだけど……。
レベルなんていつ上がるかわかんないし、どのレベルで解放されるのかもわからない。
これってお預け状態?
エサを目の前に、待て!って言われてるみたいだよな。
このスキルを実装したマリアさん?
だったっけ?
その人ってどエスじゃない?
エス、エス、どエス、ウー!』
AI:〈そうだね。当たってるかも。
じゃあさ、次はさらに弱いモンスターのスキルを狙うとかはどう?
いろんな狩場に行けばいいんだよ。〉
龍太郎:『お!アイちゃん!いいね!
それ、グッドアイデア!
それならワンチャンあるかもな!
よし、夢咲さんにお願いしてみよう。』
AI:〈うん、そうしなよね。
悩むより、行動あるのみ。頑張って!
それとね。マスター!
ステータスボード開いてみて。
ちょっと、スキル登録で気になることがあったんだよね。〉
龍太郎:『ん?わかった。』
ステータスボード!
【個体情報】天堂龍太郎 20歳 人間族
【個体強度】レベル1
【固有超能】
【解放超能】なし
【登録超能】豪運・超会心・回復波・流星弾・炎斬刃・駿足
龍太郎:『おー!6つに増えてるな。
なんか増えると嬉しいな。
アイちゃん。これがどうしたの?』
AI:〈あー。やっぱりね。
2つの時には自信なかったんだけどね。
よく見て!
登録スキルの表示って、登録された順番にはなってないのよね?〉
龍太郎:『んー……。あ!本当だな。
一番最初の登録は源さんだもんな。
それに、カーバンクルも順番が違う。』
AI:〈でね。これは予想なんだけど、スキル解放のレベルが高い順番になってるんじゃないかって思ってるんだけど。
だからと言って何も変わらないんだけどね。〉
龍太郎:『ああ…でもそう考えると面白いな。
元Aランクの源さんや、現Aランクのカーバンクルより、夢咲さんのスキルの方が高いってことだよな。』
AI:〈そうなるよねぇ。
だから、豪運って結構すごいんじゃない?〉
龍太郎:『確かに。言われてみれば、運を操作するなんて、神のみが成せる技っぽいしな。』
AI:〈そう考えると、豪運娘との出会いって運命的な出会いかもね。
美人みたいだし、マスターみたいな空気の読めないごく普通の男子にも親切だしね。〉
龍太郎:『ん?なんか棘があるな。』
AI:〈まあ、気になったのはそんなところ。
このスキルって、本当謎だらけだから、少しずつ解明していくしかないね。〉
龍太郎:『そだな。スキル不明の時より期待が持てるってもんだ。』
AI:〈そうそう。なんせ、特別仕様だから。
期待していいよ。知らんけど。
まあ、それはいいとして、豪運娘にLIMEしときなよ。〉
龍太郎:『ん?なんで?明日会うよ。』
AI:〈はあ……。今日のお礼を打っとくのよ。
文章はシンプルでいいから。
そういうのでポイントアップなんだから。〉
龍太郎:『なるほど。
って、ポイントアップする必要ある?』
AI:〈はあ……。
とにかく、ありがとう。でも、楽しかった。でもなんでもいいから。〉
龍太郎:『ま、わかった。そういうもんか。』
この辺りが欠落している龍太郎。
龍太郎:『あ!夢咲さんからLIME来てる。』
AI:〈ほらー!先越された!何て書いてある?〉
龍太郎:『ふむふむ。
なんかね。今日帰ったら、ポストに怪しい手紙が入ってたんだって。
その手紙の写真が添付してあるわ。
どれどれ。』
AI:〈怪しい?何て?〉
龍太郎:『うん。えーっと。
カレンちゃん。
クラン作ったね。知らない男と。
良くないね。良くないよ。
君にはソロ活動があっている。
これは君のための忠告だよ。
いつでも君を見ているよ。
だって。何これ?怖っ!暗っ!ダサ!』
AI:〈こういうのあるんだね。
豪運娘のことはよく知らないけど、マスターから見て美人なんでしょ?
だったら、ストーカーされてるかもね。〉
龍太郎:『完全にこれはストーカー案件だな。』
AI:〈そうだね。でも、クランを作ったことを知ってるってなると、そのストーカーはエクスプローラっていうことになるよね?〉
龍太郎:『あ!そっか。
確かにクラン情報って、協会の端末でないと見られないもんな。
で、協会施設に入れるのって、エクスプローラだけってことか。
それってヤバくね?』
AI:〈うん。異世界ダンジョン内でもストーカー出来るからね。
でも、その感じじゃ、今まで直接の接触はないってことだよね。〉
龍太郎:『うーん。良くわからん。
まあ、男かも女かもわからんしね。
でも、暗いやつだなぁ。気持ち悪!』
AI:〈誰かがわかれば対処もできるけど、まずは人物の特定からだね。〉
龍太郎:『ああ。明日会った時に相談したいってさ。』
AI:〈うん。そうして。僕も協力するよ。〉
そして、龍太郎はカレンにLIMEでメッセージを打った。
今日はありがとう。
相談の件、了解です。
また、明日。
文章がヘボすぎるぞ!
とツッコむアイちゃんであった……。
◇◇◇◇◇
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