第14話 女子ってコワイネ
「フミくん、どうかな、、」
桜が顔を赤く染めて聞いてくる、かくいう俺も眩しすぎて直視できない。
「お、おう、似合ってると思う」
俺は気恥ずかしくてそう答えるしかなかったのだが
「こっちの方、、見てから言って」
より顔の赤色が増した桜が聞いてきた
あの、、桜サン?恥ずかしそうにするならキカナイデ
「ねぇ、、、フミくん」
俺は自分の脳内のラブコメストレージの中からよさげな言葉を探したのだが、
俺の読んでいたラブコメではこういう時に何かしらハプニングが起きたり、
はっきりと「かわいい」とかの言葉を言っていたので、参考にできるものがない、、
もう、自分で言葉を選んで、、、
「フミ、私の方は?」
オイィィ!相場は一人ずつだろぉぉ
「そういえば、桜は泳げんの?」
俺は、話を逸らすことにした
「ううん、泳げない。だから浮き輪持ってきた」
彼女は袋の中から浮き輪を見せてきた。
俺は話をそらせたと思い、心の中で拳を上げようとしたとき、
「それより、フミくんどうなの?」
「そうだ、そうだ~、話をそらすな~」
俺は心の中で腕を途中まで振り上げたまま、さらさらと粉になって風に流された。
というか、電車の中では火花散ってたよね?
ここで協力して俺に集中砲火は、俺ははヨクナイトオモウナー
―――――――――――――
「待たせたな、、フミ?どうした?」
ビーチパラソルを砂にさしながらユウが聞いてくる。
俺は砂浜の上に敷かれたレジャーシートの上に天日干しされていた
あの後、俺は二人の集中砲火に耐えられなくなり
正直に、足りない語彙で二人に感想を伝えたのだが、
俺が片方の感想を言うと、もう片方が不機嫌になり、
不機嫌になっているほうを褒めるともう片方が不機嫌になる
そんな感じのループがさっきまで続き、俺の体力は半分ほど持ってかれた。
褒める内容がなくなってきて、最後の方は結構きわどいところまで踏み込んでしまった気がするが、はっきりとは覚えていない。
その二人はいま、どっかへ行っていしまった。
「ただ、女子ってめんどくさいな、って」
俺がそう呟くと、ユウは苦笑いした。
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フミくんって意外と大胆なのでしょうか
私は彼からの水着の感想を聞いてそう思わずにはいれませんでした。
最初の方はありがちな感想だったのですが、最後のほうにいくにつれどんどんきわどくなっていってるといいますか、、
最後の方は「ボディラインが目立ってて似合っている」とかでした、
褒められるのはうれしいのですが、、ここまでくると流石に、、
私は思い出すだけで体温が何度も上がってしまいました。
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「よっしゃ、フミ遊ぶぞー!」
私は桜と一緒に海の家にいって、浮き輪に空気を入れてきた。
今はまだ、時間も早いので海の家もまだ混んでいなかったが昼を過ぎてくると混んで来ると思う。
いったときにはぐったりしていたフミだったが帰ってきたころには元気になっていた。
「あぁ、ユウもいくぞ。」
そう言って、私たちは海へと入っていった。
――――――――
「おい、ユウ!あっちの岩まで勝負しようぜ!」
「おぉ、やったらぁ。野球部の10番に勝てると思うなよ!」
「私もやる!」
俺がユウに勝負を仕掛けたところに陽菜が入ってきた
「桜はどうする?」
桜は泳げないので仲間外れになってしまう、そう思いプカプカと浮き輪の上で浮かんでいる桜に声をかけた
「私は大丈夫、その代わりにあとで一緒に遊んでね。」
桜は少し顔を赤らめながら答えたのだが、俺はなぜ赤くなったのか分からなかった。
まぁ、聞くのも野暮というものだろう。
「おう、わかった。」
そう言って俺は二人の方へ泳いでいった。
――――――――――
「やったー!私がいっちば~ん」
桜が誇らしげな表情で、砂浜に立って俺ら敗者二人を見下ろしてくる。
「まさか、陽菜に負けるとは」
「同感」
最初岩まで行ったときは、ユウが一番で、陽菜が二番だったのだが、帰りの方は陽菜とユウが入れ替わる形となった。
俺はどちらも最下位だった。
―――――――――
「あ、この貝殻きれい」
太陽がちょうど頭上に来たころ、桜と二人きりで砂浜を歩いていた。
俺はてっきり四人で遊ぶものだと思っていたのだが、
桜は俺と二人きりで遊ぼうという魂胆だったらしい。
まぁ、俺からしても桜と一緒に居れるのでありがたい。
岩陰から注がれる陽菜の不機嫌オーラ全開の視線以外、、、
「フミくん、あっちのほういってみない?」
桜の指さした方には行列ができていた、
しかも全員男女一人で並んでいる、、
絶対カップル御用達のスポットですやん、
行ったらあとで陽菜に
「いや、やめておこう」
桜は残念そうな表情をする、
その表情を見て俺は申し訳ないと思ったが、これは俺が全力で恋心に向き合うためなのだ。
俺は陽菜への気持ちがはっきりとしていないうちに、桜とそういうところに行ったら、自分の気持ちが分からないまま、この恋心に蓋をしてしまうだろうから。
あとシンプルにボコボコにされたくない
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