第43話 春陽の回想

15年前―――


春陽はるきの家族と雪子の家族はたまに会って遊んでいた。

昔は家族ぐるみの付き合いだった。


そう、萌衣が5歳の時までは、、、、


当時、春陽はるきの息子である翔流かけると萌衣はとても仲が良く

春陽はるきと葵、雪子と康介は無邪気に遊ぶ子供達の姿を遠くから

見るのが幸せだと感じていた。


『かけるくん、次、ブランコしよ』

『いいよ。めいちゃん、ぼくが おしてあげる』


幼い笑顔に親達は癒されていた。


長い長い月日を同じ時間だけ過ごしてきた4人はそれぞれ色んな想いを抱え、

本当に好きだった人と一緒になれなくても、今こうして4人は同じ時間を共有

している。


この世に遺伝子を残し、そして繋がっている。


春陽はるきも雪子も絆で結ばれている気がしていた、、、、。



そして、ここにも小さな恋が生まれていたのだ、、、、



萌衣も翔流も互いに恋をしていた、、、、



そう、、、初恋だったーーーーー。




だけど、その恋は互いに想いを伝えることなく終わりを迎えた。




突然、春陽はるきの海外赴任が決まり、暫く海外移住することになったのだ。

大きなプロジェクトが決まり、海外へホテルを建設することになったからだ。

その頃から春陽はるきと葵は上手くいかず、結局、2人は離婚し翔流の親権は

春陽はるきが見ることになり、春陽はるきは翔流を連れて海外へ暫く移住することとなった。





『サヨナラ』を言うことも『好き』だって言うこともできないまま翔流と萌衣は

それっきり会うこともなく月日だけが流れていったのだったーーーーー。










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