弱さを武器に変えない——ただ、弱いまま前を向く物語。

2030年、あらゆる病と障害が克服された世界。それでも治せない「トラウマが想起される度に痛みが再現される」病を抱えて三年間ひきこもる少年・永遠と、エルイオンの集合体として生まれた少女・瑠璃乃の物語です。

普通になれる世界で、普通になれない。それだけで十分すぎるほど孤独なのに、この物語の主人公・永遠はそこからさらに踏み出していきます。

強くなるわけじゃない。チートスキルを得るわけでもない。それでも彼が最後にたどり着く場所は、読んでいて胸の奥がじんわりと温かくなるものでした。

瑠璃乃というヒロインの魅力も特筆ものです。タイトル通り「とんでもなく強い」のに、彼女もまた揺れて、迷って、誰かに認めてもらうことを必要としている。強さと弱さが、主人公とヒロインを超えてこの物語全体に溶け込んでいます。

ネタバレは野暮なので言いません。ただ一言——最終話まで読んでよかったと、心から思える作品です。

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