第57話 陽葵からの誕生日プレゼント
「これを使って!」
陽葵が綺麗にラッピングした2つのプレゼント包装を出す。
「あの、蒼さん、薫子、こんな時になんですけどお誕生日おめでとうございます。」
陽葵が少し赤い顔をして差し出す。
「あの、これ誕生日プレゼントですわ、蒼さん、この前プロトタイプ鉄郎を使いこなしてらっしゃったから、喜んでくれるかと思って、薫子も一緒の日が誕生日でしたわね、二人とも開けてみてくださる?」
蒼と薫子が包みを開けるとそれぞれ金銀のポシェットのようなものが出てきた。
表には川嵜重工の最新ロゴが付いている。
「これは」
それは川嵜重工製最新鋭KT430RR型鉄郎だった。
量産品だが、メーカー小売価格1億円ほどするものだ。
蒼と薫子が装備すると金と赤銀の外骨格が現れた、この前のプロトタイプ鉄郎と比べ、ものすごく軽量化されている。
「わかった!薫子、行くぞ!ありがとう陽葵さん!」
蒼は薫子を抱き抱えると一瞬で上空に飛び上がった。
あっという間に明石市立航空宇宙大学の研究室に到着する。
いつも薫子を迎えに来てるので勝手はよく知っている。
「ちょっと待って。」
薫子は鉄郎を解除して研究室に入り、保管容器専用のエナジーフィラーを起動し、装着する。
「蒼、OKよ、はくげいに連れて帰って!」
薫子は改めて鉄郎を展開する。
3分もかからずはくげいに戻る。
「艦長さん、この容器を魚雷の中にセットしてください、隙間に押し込んで衣類でも詰めればそれでいいです。」
「そんなに適当でいいのか?」
「はい、核爆発が起きればこの反水素容器が壊れます、そうすれば反水素が剥き出しとなり対消滅反応を起こし強力なガンマ線を放出します、それで核爆発連鎖反応のバランスが崩れて核融合反応がそこで停止します。」
「私も計算に参加したので間違いはないと思います。」東村亜希子外務大臣が口添えする。
魚雷の装填には40分ほどかかる。
もう退避することはできない。
「王女殿下、あなたに命預けます。」
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