第36話 買取り
ゴルダさんに案内された買取カウンターでアイテムボックスからイノシシとウサギと鳥を出した。
アイテムボックスの存在を隠しておこうかとも思っていたが、流れで出す羽目になり、もういいやとエイっと出した。
「お?マジックバッグ持ちか」
ゴルダさんにさらりと言われた。
会社の通勤で使っていた布製の肩掛けバックを持っていたので、そこから出したように見えたのか。
良かった、この世界でもアイテムボックスに似たようなマジックバッグというのがあるのか。
ゴルダさんも買取カウンターの人も特に驚いていなかったので、マジックバッグは割と普通に普及しているのかもしれない。
終わったら後で寄ってくれと言ってゴルダさんは受付の部屋に戻っていった。
街の外で出会った冒険者の少年達と別れた後もイッヌ達がなんだかんだと狩ってきてくれたおかげで、鳥3羽、ウサギ7羽それとイノシシ10匹で合計、14銀貨と10銅貨になった。
買取の金額は物の状態によってまちまちで、かつ買取手数料を引いた額だそうだ。
通貨の相場がわからない上に、物の相場もわからないから、全てお任せになった。
考えるのも計算するのも面倒くさいからそれでいいです。
ちなみに食べられる動物は自分で解体して肉屋や市場で売った方が高値で売れると教えてくれた。
ギルドの人、みんな親切だなぁ。
でも、無理。
今は無理。
自分でさばくとかムリムリムリムリ。
そのうち(もしかしたら)頑張ってみようとは思うけどね。
お金を持ってさっきのカウンターのゴルダさんの所へ行った。
登録料は銅貨3枚と言っていたので、買取でもらったお金から銅貨3枚を払い、お礼を言ってギルドを出た。
買取の人、ゴルダさんから聞いていたのか小銭を多く混ぜてくれていた。
ホント親切だな。
「わるい 遅くなった」
ギルドの壁に寄りかかっていたアリサに声をかけると、アリサがニコっと笑って寄ってきたので手を繋いだ。
一応言っておこう。
違うからね。
子供は全般好きだからね。
その「好き」ってのは普通に人間として好きって事だからな。
「次はね、市場とか屋台があるとこ知ってるか?」
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