第26話 街へ向かう準備②
さてと、自分の準備は万端。
あとは、サモン召喚。
WIZの魔法に「サモンモンスター」というのがある。
俺は単騎で狩りに行くとすぐに死んでしまうので、狩りには必ずお供に召喚獣を連れていた。
ゲーム内ではWIZの召喚獣連れは定番でもあった。
なので街までは無理としても、人気のない途中までは召喚獣にお供をお願いしたい。
じゃないと、モンスターどころかケモノと遭遇しても死ねる自信がある。
自信というかもはや確信とも言える。
ゲームでは、モンスター以前にただの獣相手に何度死んだことか。
いや、何百回、死んだことか。
ゲームを始めた当初は町のすぐ近くの道や野原で死んでいたからな。
本来「初心者の町」の近くにモンスターは出ない。
いるのは犬、ウルフ、イノシシくらいで人を襲うことはない。
ただし、だ。
ただし攻撃すればそいつらも反撃してくる。
パソコンのオンラインゲームはマウスをクリックしたところまで、自分のキャラが移動する。
敵をクリックするとそこまで移動して攻撃するシステムになっていた。
で、俺は草むらにいる犬とかウルフに気がつかず踏んじゃって(クリックしちゃって)、俺のキャラはそこまで歩いていって勝手に攻撃して、反撃にあい、噛まれて死んだ。
よく死んだ。
ビックリするほど死んだ。(踏んだ)
いや〜懐かしい、悲しい過去だ。
ゲームを始めた頃は犬とかウルフにしょっちゅう噛まれて死んだし、
イノシシによく体当たりされて死んだものだ。
ゲームで死ぬと神殿で復活したけれど、この世界はどうなんだろうか。
死んだら終わりな気がする。
終わりだろうな。
だから、ウッカリ死ねないな。
うん。
絶対死なないように気をつけよう。
マップにモンスターは敵として赤い点で映るけど、ケモノは映らないと思う。
ゲームでは映らなかった。
なので、草むらに犬がいてもマップではわからずに踏んでしまう危険性が高い。
だから、お供にサモンを用意しておくのだ。
犬にやられそうになったらサモンに助けてもらうのだ!
(いや、踏む前に気づけよ?)
と、いうわけで召喚魔法。
「サモンモンスター!」
お?
モンスターの一覧が目の前に出た。
何コレ、選んでいいの?
俺がやってたゲームでは自分のレベルにあったモンスターが決められていて、召喚魔法を使うとそれしか召喚できなかった。
選べなかったのだ。
ここでは選べるの?
ふむふむ、ゴブリンからキングバグベアーまでが一覧に載っていた。
ゲームをやめた時の召喚獣がキングバグベアーだったからかな?
ん?
一覧を見ていて気がついた。
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