最終話

 僕は自由を求めていたのか?

 いや、別にそういうわけじゃない……僕が欲していたのはハーレム作ることである。

 その上でララティーナとアレティアは僕を独り占めしようとしてくるタイプで、ハーレムなど認めなそうだから嫌だっただけだ。

 

 ララティーナとアレティアの二人でも十分ハーレムだし、何ならレイ、ガイちゃん、リリス、レースと。

 僕と仲の良かった女の子たち全員を愛人にすることまで認めてくれている。

 ここまで認めてくれるのにララティーナとアレティアを拒絶する理由なんてあるのか?いや、ない。まるでない。

 ということで僕は国連の総長をやりながらみんなと楽しく暮らしていた……なんか僕に一人の時間が無いような気もするけど、別に自由とかは求めてないから良し。


「……おいひ」

 

 珍しくララティーナ、アレティア、レイ、ガイちゃん、リリス、レース全員が僕の家に揃っている今日。

 腕を振るって作った夕食を僕は振舞っていた。


「……なんか、料理の腕めちゃくちゃ上がっているわね」


「暇なんだよ、僕。色々とやることもやっているけど、それでも結構暇。料理の腕とかを極める以外得意にすることもないんだよ」


「なるほどね」


 ワイワイガヤガヤと。

 みんなでくだらない雑談をしながら夕食を楽しむ。


「……そう言えば、私。まだ一回もノアに好きって言ってもらってない」

 

 そんな夕食の中、誰かがぼそりと呟く。


「……ッ!確かに!」


「私たちはこんなに言っているのに」


「言われてみればそうですね」


「えっ、ノアに好きって言ってほしいな」


「……わ、私も言ってもらいたいです」


 その呟きにこの場の全員の目の色が変わり、一斉にこちらの方へと視線が向けられる。


「うっ……」

 

 一斉に視線が向けられた僕は思わずたじろぐ。


「聞きたいなぁ……」


 僕の方に向けられる期待の視線。


「……好きだよ。みんなのこと」

 

 ……普通に考えて自分のことが好きな可愛い女の子が近くにいて行為を持たない男なんているのだろうか?

 僕だって普通に感情を持った男の子である。


「「「「「「……ッ!!!」」」」」」

 

 僕の言葉を聞き、全員の頬がだらしなく緩み、頬を赤く染める。


「思ったよりも恥ずいし!」

 

 結構恥ずかしくなった僕は空になった食器を持って慌てて立ち上がる。


「ちょ!もう一回!もう一回だけ!」


「絶対に嫌!もう二度と言わないから!」

 

 僕は誰よりも頬を赤く染め、慌てて食器を洗面所へともって行く……これ、思ったよりも恥ずかしい!?よくみんなポンポン好きなんて言えるね!?


「じゃ、じゃあまた明日!追ってくんな!もう絶対に言わないから!……こっち来るな、ヒロインどもッ!」

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