第5話
魔王復活。
「一体はここは何処なのだぁーッ!!!」
長き眠りから復活した魔王は初っ端から日の目を浴びることが出来ずにいた。
誰にも迎えられることなく、一人孤独にやけに頑丈な深い地下の洞窟で復活した魔王は地上へと出るため、かてぇ地面を掘って上へと上へと掘って地上を目指して進んでいた。
「……なんで我がこんなことをしているのだッ!魔族たちはどこなのだ!?」
言葉を叫び散らかす魔王は一切いら立ちを隠そうとせず、ただ一人で地面と格闘を続ける。
魔王を復活させたのはノアである。
最悪クラスの性格の悪さを持つノアが魔王を素直に召喚させるわけもなかったのである。
「……ようやくか」
数日の時を経てようやく魔王は地上へと出ることが出来たのだった。
「……次は海か」
だが、その次に魔王を阻んたのが海であった。
「我を舐めるでないわッ!水圧風情が我を阻めるとでも思ったかッ!」
遥か海の底……洞窟から出て水深何千メートルという海底にたどり着いた魔王はぶち切れながら一気に地上へと上がる。
「くっはっはっはっは!ようやく日の目たるぞッ!」
すべての魔族の頂点に立つ存在であり、人類を脅かす存在たる魔王が復活の時。
そんな時を一人で終え、それからはエンドレスで地上を目指して頑張り続けた魔王はハイテンションで叫ぶ。
「ようやく我は人里へと来たぞッ!……こちらから人の気配ッ!待っていろッ!人間!」
魔王は率直に人間の気配がした場所へと爆走し、海を駆け抜ける。
「はっはっは!恐れおののけ!人類よ!我が来たぞッ!」
そして、魔王は海を爆走していたドレシア帝国軍の一部を乗せた艦隊と接敵したのだった。
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