第42話
「ちょい」
僕は慌ててアーテから逃げようとするも……逃げられない。
「……ふんッ」
気合一発。
魔法まで使用してアーテから強引に逃げる。
「いっちいち」
僕は痛む肩を回しながら目の前にいるアーテの方へと視線を送る。
「私は不満だよ」
「何が?」
「まず第一に私は君と寝たことがない」
「うん。そうだね」
僕はアーテの言葉に頷く。
さっき彼女は『私以外の女と、寝たの?』などとまるで僕がアーテと寝たことがあるように話していたけど僕はアーテと関係を持ったことがない。
「なんで?」
「いや、君と関係を持つのは色々と問題だろ」
フェルジャンヌ王国において長年外交大臣を勤めているラインハルト家の嫡男である僕とドレシア帝国第一皇女であるアレティアが関係を持つとか大問題だ。
世界に揺るがす大事件として後世に語り継がれていくことになってしまう。
「それはわかる。確かに現状私たちが関係を持った大問題……なんで私以外の女を抱くの?」
「そこに女の子がいるから」
僕の答えは実に単純明快。
今の僕は圧倒的な力を持ち、貴族としての権限と大金を持ち、そして圧倒的な見た目の良さを持っている。
ノア・ラインハルトとしての僕の見た目の良さは格が違う。
スタフティにおける女子人気一位は伊達じゃない。
今の僕は変身魔法をかけ、自分の本来の姿を隠したノイとして生きているもののちゃんと見た目はイケメンになっている。
イケメンイズジャスティス。
僕がイケメンであるというだけでナンパしても気持ち悪がられないし、簡単にベッドまで誘うことが出来る。
そんな状態にある僕が女の子と抱くのを我慢できるか、自重するか。
答えは簡単。
するわけがない……僕は猿のように色々な女の子に手を出し、既にこの学園には10を超えるセフレが存在する。
10人相手取っても萎えることのない今世の僕の体力と精力は底なしだ。
「……喧嘩を、売っているの?」
「え?売ってないけど?」
僕はアーテの言葉に答える。
……一体何をどう考えたらそんな物騒な考えに至るのだろうか?本当にわからない。
「……なら、なんでッ!私がノイのことを好きなのをわかっておきながらこんなことするの!?」
「え?そうなの?」
僕はアーテの言葉を聞き、素直な感想を漏らした。
あとがき
やべ。前話で言い回ししくじった。
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