第35話

 僕とアーテは授業を片手間にこなし、セルフィオリリカルと仲良くし、たまにやってくる勉強やら戦い方を教えて下さいと頼みにやってくるクラスメートたちと交流しながら学園生活を満喫していた。

 

「もう学園に通って一ヶ月になるのね」


「そうだねー」

 

 僕はアーテの言葉に頷く。

 ちなみにこの一ヶ月でラインハルト公爵家には大量の手紙がララティーナ王女殿下より送られており、サリアが助けてほしい!と救援を要請する手紙をちょいちょい僕に送ってくる。


「あー。お前ら静かにしろ……静かにしてください」

 

 朝のHR中、教卓に立つ担任の先生が懇願に似た言葉を話し、静かにするよう懇願する。


「それで」


「しー」


 僕はその言葉を聞いてもなお話し続けようとするアーテに静かにするよう促し、僕は口を閉じる。


「協力感謝します……それで、だ。君たちがこの学園に入学してから既に一ヶ月が経過した。そろそろ君たちには本格的にこの学園のシステムに適応してもらう。序列制度にな」

 

 担任の先生の言葉を受け、教室全体がピリッとした雰囲気に包まれる。

 ……まぁ、アーテは除くが。


「全員が既に制度のことを耳にしているとは思うが、改めて説明させてもらう。序列制度は簡単に言うと全ての生徒に戦闘力でランキングをつけるだけの制度だ。この制度で一番大事なのがそのランキングの順位でこの学園内の立場が決まることだ。ランキング上位になれば授業に参加しなくても評価されるなどの特典が存在しているのだ」


 担任の先生は一度言葉を切った後、息を吸って再度口を開く。


「……ランキング上位であれば自由になれるのだ!」

 

 僕とアーテの方をガン見しながら担任の先生が話す。

 さっさとランキング上位になって好きにしていろということだろう。

 この一ヶ月で先生たちは僕とアーテを自分たちの制御下に置くことを諦めていた。


「これより一年生はランキングを決定するため、生徒同士で模擬戦を繰り返してもらうことになる。最初は一年生同士の力を見て、俺たち先生がランキングをつけていくことになる。ただ。上級生に勝負を挑み、その順位を奪うことも可能だ……可能だからな?」

 

 頼むぞ?っと言った感じで僕たちへと視線を向けてくる担任の先生。


「しばらく授業の時間がなくなり、模擬戦を行っていくカリキュラムが続いていくので把握しておくように。これで朝のHRの連絡は終わりだ」

 

 担任の先生は最後にそう言って話を終わらせた。

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