信用を悪用してしまった
言いすぎた。
完全にやりすぎた。
嫌われたかもしれない。
やってしまったって自分でも言える。
どうしよう、本当にどうしよう。
なんであんなことをしちゃったんだろうと、自分を責めても責めたりない
わかってて、わかって悠里を傷つけた。
引っ張ってほしくない思い出を引っ張り出した
あの子はそういうつもりで教えてくれたんじゃないのに
信用を悪用してしまった。
トラウマという傷口に塩どころじゃなく劇薬をかけたような言動
何度悔やんでも悔やみ足りない
どうしよう、どうしよう。
早退した悠里にいますぐにでも謝りたい
あの子は、優しいだけなんだ。一つも悪くない
あたしにしてくれた話も、悠里は一個も悪くないのに、悠里は苦しんでる
「悠里、なんでそんな暗くなっちゃったの?」
ふと聞いたことがある。
遊んで、おばけみたいな格好をした悠里がすっごいオシャレな服を選んでくれた時、やっぱり不思議でしょうがなかった。
優しくて可愛くて綺麗で、おしゃれも好きそうな女の子が、なんでおばけみたいな格好をしてるんだろ。
なにが悠里をそうしたんだろう
「いや、お、思い出したくない」
珍しく言葉に詰まってた。だから諦めようかなって思った
「そうか、じゃあいいよ!もし話す勇気が出たら教えてね!親友だもん。悠里のことはいっぱい知りたいからさ」
そんな少し身勝手な言葉すら悠里は飲み込んで
「あ、う、うん!いや、うん。夕夏ちゃん」
悠里は絞り出すような、か細い声であたしに言ったのを
「聞いてくれる?」
手を差し伸べてほしそうに、長い前髪の間からあたしを見つめて
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