マルコとの対談
マルコの護衛はたった四人だけだった。でも彼らの魔力は平凡な民間人のレベルではなかった。おそらく騎士団で言えば十夫長ぐらいだろうか。
信奉者たちはこれといって正規組織や大規模宗教集団のようなものじゃなかったはずだけれども。単純な小規模にしてはかなり本格的な護衛だね。むしろああしているからもっと怪しいわよ。
それよりマルコにどう近づくべきかしら。一人でいるとは思わなかったけれど……本格的な護衛が傍にいたら、私たちが姿を現したとき面倒になるだろう。力で突破するのは可能だけど、特に戦いに来たわけじゃないので穏健に行きたいんだけど。
しかし、私やロベルが何かをする前に、マルコの方が突然私たちの方を振り向いた。
「あえて隠れる必要はありません。拒否するつもりはないですからね」
マルコと正確に目が合った。
マルコの護衛たちが当惑して振り返り、ロベルは私を守るように前に出た。でも私とマルコは黙ってしばらくお互いを見つめた。
先に動いたのは……私。
「はあ。ロベル、隠蔽解除して」
「はい」
隠蔽が解除されると同時に、マルコの護衛たちが前に出て魔力を高めた。その時、マルコが手を上げた。
「皆さん落ち着いてください。そしてしばらく退いてください」
「ま、マルコ様? ですが……」
「大丈夫です。あの御方たちは私を害するために来たわけではありませんから」
護衛たちは当惑した。確かに、護衛対象が突然現れた不審者を容認するのは護衛としては容認できないことだろう。
私としては悪いことはないけど……ちょっと怪しいね。
「私を知っていますの?」
「『主人』に耳打ちしていただきました。貴方を貴賓として迎えろようにと」
彼らが仕える絶対的な者が、目の前の相手を貴賓と規定した。
その事実を大幹部のマルコが直接言及しただけで、護衛たちは直ちに警戒を緩めた。そんな彼らにマルコがもう一言言った。
「もうお分かりでしょうか? 皆さん、退いてください。貴賓と緊密に話し合うことがあります」
「はい」
護衛たちは本当に私たちから距離を置いた。それを確認したマルコが私たちに微笑んだ。
「さあ、お入りください」
マルコは一番近い部屋の扉を直接開けて中に入った。
「どうしましょうか?」
ロベルは私に尋ねた。
うーん……あまりにも簡単で、むしろ疑わしい。それに『隠された島の主人』が私を名指しまでしたって? マルコの勘違いじゃなくて? もしかしたら罠の可能性もある。
しばらく悩んだけど、その時間はそれほど長くなかった。
「行きましょう。どうせ幹部と話すのが目的だったし、私たちが帰らなければ修練騎士団の方に便りを伝えるように按配しておいたでしょ」
罠だとしても、力で突破する自信くらいはあるしね。
部屋に入るやいなや見えたのは小さなソファとテーブルだった。装飾などは全くない殺風景な部屋だったけれど、家具自体はかなり高級だった。
マルコは先に座らずに立って私たちを待っていた。
「楽に座ってください」
「それじゃ遠慮しません」
私はソファに座り、ロベルは私の後ろに立った。私たちの視線を受けるマルコは、私の向かいに超然と座った。
彼の視線は私の髪に向けられた。
「いい色染めですね。本来の美しい色にお会いできることを期待していましたが、そちらも素敵です」
「私が誰なのか知っているのかしら?」
「美しい母上に眩しい銀髪を受け継いだ素敵な騎士さんですね」
あえて名前を言及しなかったのは、誰かが盗み聞きしている可能性のせいなのかしら。
しばらく部屋の様子を見てみたけれど、充実した防音結界が施されていた。それでも慎重なのは性格のせいなのか、それとも他の何かを警戒するのか。
まぁ、私としては別にどうでもいいけど。
「いいですわ。私を知っているようだし、私も貴方が誰なのかは知っています。正式な会談でもないので煩わしい手続きは省略しましょう。少し質問をしたいですの」
「いくらでも」
「『隠された島の主人』が耳打ちしてくれたというのはどういう意味ですの?」
「言葉通りの意味です」
答えはそれだけだった。いたずらやごまかすのじゃなく、本当にそれが十分な答えだという様子だった。
ため息をついた。質問を変えないと。
「その耳打ちの正確な内容は何ですの?」
「〝次の集会の日、オステノヴァの銀色の令嬢が訪れるだろう。貴賓として迎え、誠心誠意対応せよ〟。……誰かを直接指したのは初めてだったので、私も驚きました。同志たちも驚愕しました」
オステノヴァの銀色の令嬢、か。名前は言わなかったけれど、そう呼ばれるに値する存在はこの世でただ私だけだ。ピンポイント狙撃だね。
率直に言うとちょっと戸惑う。けれど今さらとも思った。アルカの時も似ていたし、ジェフィスの時は堂々と私を指名したね。
ただ、前は私の周りの人だった。そして『バルセイ』に登場、または言及されていた人であったし。でも今回は私と関係なく、ゲームにも出たことのない人だ。
いったい信奉者たちを利用して何をしたいのか分からない。けれど……少なくとも今はそれを直接聞く機会だね。
「『隠された島の主人』が貴方たちに啓示夢を与えたことはありますの?」
マルコはニッコリ笑い、空中に手を伸ばした。指先から光が流れ出て絵を描き出した。人の頭の上に何かが降りてくるような絵だった。
「死の危機に瀕した瞬間、啓示を受けた者がいました。夢の中で活路を見つけた人がいて、自分に対する悩みに答えを得た人もいました。あの御方はいつもすべてを見守り、必要な啓示を下してくださるのです」
「意図を疑ったことはありませんでした? ただ助けを受けるという理由だけで疑いなく受け入れたんじゃないのかしら?」
私なりには心配して言ったけれど、マルコは依然として笑みを崩さなかった。いや、むしろ自信さえ見えた。
「あの御方のなさるすべてのことには意味があります。人間がそれをむやみに推し量ることができないだけです」
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