第24話 女性も結婚できない

 一人っ子政策の余韻は単なる少子化ではなく、深刻な人口減少の原因となっている。問題なのは男女比だ。圧倒的に男子が多い。儒教が侵透する中、一人っ子政策が追い打ちを掛ける。子供を持なら儒教的に家系を継げる男子を欲し産み分けが急増した。女子を持つ親は、男子家族に大金を用意し、今後の家族の生活の安定を要求する事態が慣習化している。結婚出来る条件は、「家付き、カー付き、家族付き」が当たり前になっている。共産党の悪政によって就職難の今、安定した職に就けないのが現状だ。共産党は利権集団であり、賄賂三昧の職には世襲制度で握られている。いい学校を出ても目に見える家系の権力によって何の効力もなくなっている。日本でいう名門国立大学を出てもフードデリバリーに就ければ御の字という有様だ。

 結婚は、若者の意志だけでは決められない。家族の同意は必須だ。親は子共に養ってもらう養うのが当たり前だ。超富裕層は親の権限と資産でどうにでもなるが、極度の高官以外の共産党員は、ひもじい思いをしている。収入源の多くは利権であり、その利権が揺らいでいる今、弱い立場の者から搾取して生き延びている。公務員の給与未払いは、地方・国の財政難もあるが上位の者が貪り喰っているのも原因だろう。

 社会保険制度が事実上崩壊している中国では、結婚しないのではなく、したくても出来ない。日本も残念ながら他人事ではない。

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