第36話⁂最終話⁂
ある日強盗団の一味から、思いも寄らない好都合な話を聞いたリンゴ婆さん。
「ああ……永遠に変身出来る手はあるよ。それはね?〈バイオレット王国〉の海底深く潜り込んで、アクアの世界の魔女に会う必要が有るらしいんだよな?だけどね。そこに辿り着くのは至難の業じゃないんだよな~?だから…止めた方が良いと思うけど?」
実は…〈バイオレット王国〉は、あれだけの美しさと謎をはらんだ、怪しげな世界だが、実は…その美しい海の底には、恐ろしい生物が存在していた。
海底恐竜たちは言うに及ばず魔女が棲んでいるとはどういう事?
◆▽
こうして…静蘭(リンゴ婆さん)は永遠の美を手に入れる為に魔女に会いに行ったが、美しい〈サンフランシスコ・ガータースネーク〉に瓜二つの大蛇になったかと思いきや、あれは只のまやかしだった。
人の噂とは誠に当てにならないものだ。
実は…アクアの世界の醜い魔女とは鬼「隆牙」だった。
危険も顧みず、毎日老若男女問わず色んな生物が、藁をも掴む思いで相談に訪れるアクアの世界。
そこで鬼「隆牙」は思いも寄らない話を耳にした。
それは金の「扇子」の行方だ。
鬼「隆牙」は、どうしても金の「扇子」を取り返したかった。その理由はむやみやたらに片方の金の「扇子」ばかり使うと威力が低下する弱点があったからだ。
そんな時に金の「扇子」をヘレン妃から奪って逃げたとされる、リンゴ婆さんが相談に訪れた。
リンゴ婆さんは氷の国に降り立ち、そこでやっとの事美しい姿に変身出来て、湖や氷に姿を映して美しい〈サンフランシスコ・ガータースネーク〉に瓜二つの大蛇に生まれ変わったと有頂天になっていた
だが、あの湖や氷に映った姿はまやかしの姿だった。
あの氷の国で一体何が起こていたのか?
世にも美しい女王ビ-チが妻で、あの時……一瞬、黒い恐ろしい影が女王ビイチに迫っていた。
それは実は…この〈バイオレット王国〉の王で夫の鬼「隆牙」だった。
ダイアモンドの煌めきを放つ湖に、一瞬にして投げ込まれたリンゴ婆さんは記憶を失った。そしてまやかしの姿となり湖や氷の鏡に映し出されていた。
そして…いつの間にか、気が付けばギャング王国に逆戻りしていた。その時に扇子は奪われて、その代わりに魔法の杖が与えられていた。
魔女の棲み処で、美しい〈サンフランシスコ・ガータースネーク〉に瓜二つの、それはそれは美しい大蛇に変身出来たとばかり思っていたが、金の扇子だけ奪われて知らぬ間に「ギャング王国」に帰されていた
だから…氷の世界の湖に落とされてからは全てまやかしだった。
◆▽
だが他にも、宝物「打ち出の小槌」と「扇子」を狙う輩が存在する。
ズバリそれは、宰相ビギンと「ティラノサタン」更には、あれだけ空中都市〈グランド王国〉が壊滅状態だと言うのに欲深い事に、ビリ-王までがバイオレット王国の海底深くに眠る宝物「打ち出の小槌」と「扇子」を狙っていた。
それでは空中都市〈グランド王国〉が二分した戦争は、最終的にはビリ-王率いるグランド人達か、それとも宰相ビギンと「ティラノサタン」率いるグレイ達どちらに軍配が挙がったのか?
残念ながらビリ-王はギャング王国に核兵器を投下する際に、指示を出していたのだが核兵器の被害をもろに受けて、跡形もなく焼け焦げて死んでいた。甚大な被害をもたらした戦争も、ビリ-王の死であっけなく幕を閉じた
🟩🟠🟥
ルフィ姫は実は〈ギャング王国〉が倒壊したので莉子に戻っていた。だが、瓶底メガネは外され、そばかすといわれていたが、あれはニキビだった。ニキビは跡形もなく消え、美しい莉子に変身を遂げていた。
それでは碧と莉子、更には信長🅰秀吉🅰家康🅰三人組は、この恐ろしい戦争のさ中何をしていたと言うのか?
『賽は投げられた。カエサルが、軍を率いてルビコン川を渡るときに言ったといわれる言葉』もはや決行するしかない。
こんな何とも複雑怪奇に入り組んだ事情が有ろうとは思っても見なかったので、事件のあらましを銀色の瞳から大型スクリーンに映し出して、順を追って「ファイブドアーズ星」の過去のあらましや事件を見て行った。そして…莉子の銀色の瞳から投影される映像を見て策を練っていた。
銀色の瞳からは、一瞬ではあるが虹色の光りが、「ピカ———————ッ!」と神々しいまでの眩しい輝きを放ち、その後には過去の争いが次から次へと映し出されて行った。
五つの扉の向こう側には、五つの王国が存在する。
⁑死者が集まる 〈冥界王国〉
⁑空中都市 〈グランド王国〉
⁑紫世界 〈バイオレット王国〉
⁑巨大植物都市〈ジャイアント プラント王国〉
⁑強盗団都市 〈ギャング王国〉
そして導き出した作業は次のようなものだった。
高知能生物と言う者はどうしても、もっともっとと欲深くなる生き物なのだ。だから…美味しい御馳走を目の前にぶら下げては毒だという事になり、一つ一つの王国が行き来が出来ないように、「ファイブドアーズ星」五つの王国の最重要拠点である教会の北側の何とも重厚かつおどろおどろしい扉が「ガシャン」と閉じられて神様銀次から預かった鍵で「ファイブドアーズ星」の鍵を一つまた一つと掛けて行った。そして、他の王国に行けなくなってしまった。
その北側の五つの扉の向こう側には、槍のように突き出た断崖絶壁がどこまでも広がっていた。そして…その真っ暗闇の谷底からは恐ろしいまでの不気味な泡と煙が噴き出していた。
◆▽
(まんじ『卍』は“おめでたいこと”、”幸福”という意味があり、仏教やヒンドゥー教でも“幸福の印”とされている)
碧と莉子は、ビギン宰相と「ティラノサタン」更には天空に存在する天使たちに、目を覚まさせるために(まんじ『卍』)を利用しようと考えた。
そして…いよいよ信長🅰秀吉🅰家康🅰三人組の出番だ。
碧の、胸のポケット銀色の手帳がピカピカ点滅したら手帳に手を触れて、願いを唱えた。
『 アブラ オーム シャンティ アブラシャンティ アブラシャンティ』
すると、どうでしょう。碧の願い通り、信長🅰秀吉🅰家康🅰三人組が金色に輝き、金の羽を蓄え空に一斉に飛び立った。その後には金色のおびただしい金の粒が、辺り一面に眩いばかりに散らばり美しい光を放ちながら舞い散った。
信長🅰には、長い金の槍を。そして秀吉🅰には、金の草履。懐で温めた逸話で有名。食欲旺盛な家康🅰には、おにぎりをたんと渡すよう願った。
こうして…準備は整った。
そして…今度は莉子の番だ。
過去の一切十悪五逆四重諸罪や、一切の罪障を除滅することが出来る。『おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まにはんどま じんばら はらばりたや うん』
真言を唱える
ビギン宰相と「ティラノサタン」更には天空に存在する天使たちに、目を覚まさせるために、暫く世俗との関わりを断ち仏門に帰依して貰おうと考えた。
その修業は並大抵ではない。朝早くから修行に励まなくてはいけない。だが、ただそれだけでは無い。仏門に帰依して貰うと言っても、あれだけ悪事の限りを尽くした輩を、只の寺院に閉じ込めるのではなく、誰も足を踏み入れた事の無い離れ小島での修行となった。
そこは、巨大かつ狂暴な動物の宝庫となっており、一度足を踏み入れたら命の保証などどこにも無い。
ビギン宰相と「ティラノサタン」更には天空に存在する天使たちは散々抵抗した。
だが容赦はしない。
まず、ビギン宰相は一目散に逃げた。すると、家康🅰がおにぎり型の球を腕力に任せて勢いよく頭に命中させて倒した。そして…『卍』のマ-クを胸元に貼り付けた。仏の胸など体に現れた吉祥の印『卍』。一気におとなしくなった。
当然「ティラノサタン」もそんなこと絶対に嫌だ。するとその時金色に光り輝く信長🅰が、天空から長い金の槍を振り回して「ティラノサタン」に果敢に応戦して来た。
「こんなチビ、イチコロで仕留めてくれるわ!ワッハッハー」
七つの頭と十本の角を自由自在に操り応戦して来る。
だが信長🅰も負けてはいない。
パキン プスン パシャン
「ティラノサタン」は真っ赤な炎を吹き出し勢い良く信長🅰に吹きかけた。
すると金色の体はカチンカチンに熱くなった。その熱い体を目の玉にぶつけた。
ギャギャギャ————————ッ!
その隙に『卍』のマ-クを胸元に貼り付けた。
仏の胸など体に現れた吉祥の印『卍』。一気におとなしくなった。
天空に存在する天使たちは尚更の事、世俗との関わり断ち仏門に帰依する等とんでもない話、いくら「ティラノサタン」を虐めたからと言ってあんまりだ。逃げ惑う天使たち。その時秀吉🅰が、懐から温かい金色に光るぞうりを出した。
「ぬくとうござる。はいてみや~れ!それからどえりゃ-銭になるがや~」
天使たちも金色に光るぞうりに興味津々。更にどこの世界も同じで、お金には目が無い天使たち。草履を代わる代わるに履いているその隙に、胸元に『卍』のマ-クを貼り付けた。仏の胸など体に現れた吉祥の印『卍』。一気におとなしくなった。
こうして…五つの扉「ファイブドアーズ星」には安泰の世がやって来た。
碧と莉子はどうなったかって?それはもうラブラブ💘💕✨👄
信長🅰秀吉🅰家康🅰三人組は立派な若武者に成長した。
嗚呼…そう言えばリンゴ婆さんどこに行ったのか?まぁ死んでいない事は確かである。〈ギャング王国〉の崩壊で大蛇に戻ったらしいが、風の噂に《ジャイアントプラント王国》に戻り幸せを掴んだとか?
めでたしめでたし
おわり
碧と莉子⚔戦国三英傑 あのね! @tsukc55384
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