カクヨム婚

第1話 特別なアナタへ

2017年2月14日。


また、この日に戻ってきた……。


「けものフレンズ」が 二次創作許諾作品に 追加される3日前。


彼のペンネームをみつけてしまった、あの夜に……。



***


2023年の春。

私は駅のホームで偶然、高校の同級生・天沢朔也の姿を目撃した。


私の目の前で、彼は何者かに背中を押されて電車に撥ねられ死亡した。

誰も不思議に感じないようだが、彼に恋していた私だけが違和感を拭えない。


私が彼に固執する原因は最初の高校3年生の日々にあった。


……私の一方的な恋だって わかっていた。


数少ない友人と少女マンガや乙女ゲームに盛り上がっていた時期に、彼と親しくするようになったのは奇跡みたいなものだった。妹が乙女ゲームにはまっていて、どうしても攻略できないから教えてほしい、と訊いてきたのだ。


それからは、毎日 同じ時間に 挨拶をするようになると、

ゲーム以外にも頼みごとをされるようになった。

仲良しじゃなくて『彼の特別』な存在にしてもらった気がした。


彼が友人の芹香の話をすると、感情を揺さぶられて 落ち着かなくなった。


―――そんな淡い思い出が、目の前で 染まった。



数秒後、私は壊れた人形のように声を上げた。


悲鳴が止まらない。



……直観だけど、私は犯人を知っている――。




※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません


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