第43話 プリズムシャイン!心を照らして!

 人間、大なり小なりフクザツな問題を抱えているものです。他者と比較した『じぶん』がどのような存在なのか葛藤し、思い悩み、そのなかでどうにかして『じぶん』を保とうとする。こういったココロの機能はだれしもがもっているものです。


 自分のコンプレックスと向き合ったり、時には逃げようとしたり、斜に構えて目をそらそうとしたり――なにをどうすれば正解だ、ということはありませんが、人は人生をかけてそういう葛藤を繰り返していくのでしょう。


 当時のバッタモンダーは周囲と比べた『じぶん』とどう向き合っていたのでしょう? そして、今回ましろはどんな『じぶん』を見つけていくのでしょうか? ――今回のエピソードは個人的に楽しみであります。ってことで早速視聴していきましょう。




 絵を描くというのは身体を使った技術です。スポーツのように繰り返し練習することで上達していきます。漫画家として活躍する作家の方々は総じて『好きなマンガをまるまる模写する』的なことをやり続けていたと聞きます。野球でもプロの選手たちをマネて身体の使い方を知るパターンが多いので、やはりというか、絵を描くというのはひたすらの修練が求められるんだなと思います。


 そういった意味で、中学生のころからずっと絵を描き続けているましろは将来有望かもしれません。が、ただ絵を描くだけで上達しないのが物語の構成作業。模写していくとコマ割りとかは自然に覚えてくでしょうけど、物語の組み方とかそういうのは『実は技術なんだぜ』っていう事実があまり知られてないので軽視されガチなのよね。


 ここで物書きしてるアナタならわかるでしょ? 読み専の方でも『感動したストーリー』の展開にわりと型があるってなんとなーく気づいてるでしょ?


 ましろちゃん、物語を描く上でちょっちアイデアが詰まってきちゃったみたいね。展開に悩んでモンモンとするのはよくあること。そしてそれを周囲に相談したり気持ちをリフレッシュするのはとても良いことです。ましろちゃんはええ仲間をもったなぁ。


 落ち葉のきもちを考えるましろ。一方、紋田くんは前回の出来事を引きずっているようです。自分とちがい、夢に向かって突き進んでいるましろ。人間になりすましてましろに近づいて――いつまで自分はこうしてるのか? アンダーグ帝国で培ったバッタモンダーの個性、なかなか興味深いね。


 さて、偶然にも紋田と出会ったましろ。彼との出会いから誕生した物語をぜひとも読んでもらいたいと、紋田くんに自身が描いた絵本を差し出します。


 紋田が落ち葉を見ても辛い気持ちにならずに済む。そんなハッピーエンドを目指しているましろに、紋田は落ち葉が描かれた絵をやぶりすてて言いました。


「役立たずの落ち葉に"ハッピーエンド"なんてあり得ない」


 彼女の言葉に、紋田が隠していた『バッタモンダー』の気持ちが爆発しました。彼の行為に何を感じたのか、破り捨てる紋田を呆然と眺めるましろ。そして彼の言葉から、紋田の正体が『バッタモンダー』であることを気づきます。


 いいねぇ、こういう展開、すきです。はじめからクライマックスだわこれ。


 ただねぇ、ましろちゃんは日本の女子中学生のなかでもけっこーすげー慈悲深い系女子なのでね、自分が騙された方面よりも『紋田が苦しんでいなかった』ことのほうに安堵感を得てるようです。


 こんな女子中学生いてたまるか! いたらおまえ惚れてまうやr(不審者


 さて、バッタモンダーが苦しんでることを知り「わたしたちならアナタを助けられるかも――助けてみせる!」と意気込むましろ。が、ザンネン! バッタモンダーくんはそれを素直に聞けるほどまっとうなルートを歩んできたわけとちゃうんですよねぇ。


 傘を持ってないましろのため迎えに来たソラ。しかしそこにいたのは、破られた絵本を拾うましろの姿でした。


 ――なんだろ、ワイさいきんに弱くてねぇ。涙腺が緩んでるんだわ。なんか知らんがましろの「ソラちゃん……」からもうダメだった。




 逃げ出したバッタモンダー。そこへスキアヘッドが登場し、チャンスと称して己のこころを無にするアンダーグエナジーどばどばモードを要求します。


 イヤだと言うなら以下略。まあつまり「選択肢はないよ」パタィーンですわ。


 バッタがそういう状況とはいざ知らず、ましろは事の経緯をみんなに説明します。憤慨する一行、しかしましろは「気持ちがわかる」とアンダーグ勢の思考回路に一定の理解を示している模様。


 実際問題、人の世界も実力を認められてナンボってのがありますからね。ただまあ「それだけか?」と問われたらまた微妙なもんです。世の中には力があっても評価されてない人はたくさんいますし、そういった山のなかから這い上がる運もまた求められる要素だったりしますね。


 とはいえ、プロ野球選手はプロレベルの人しかなれませんし、よほどのことが無い限り打率1割台の選手がレギュラーを張るなんてことはあり得ないでしょう。スポーツ、クリエイティブ、ほかいろんな業界でも一定の実力は求められるものです。


 とはいえ、人は他者との関係性のうえ成り立っているものです。それぞれの得意分野を活かして協力したり、頼ったり頼られたり、時にはそんな仲間に救われたり……実力主義だといっても全てにおいてカンペキな人間はいない。仕事、学業、スポーツなんでもで、よくよく考えたらだれもがみーんな『落ち葉』だったりする。


 クリエイティブって、実は『じぶん』とのお付き合いだったりします。それは自分の知識のなかだけでしか物語が書けないという技術面的なモノもあり、どのような描き方にしろ、作品ってのは『作者』がもつ何かしらのバイアスがかかっているという精神的な意味でもあります。


 たまーに、アナタ自身が描いた物語、絵などを見返してみてください。そしたら『じぶん』に関するあたらしい発見があるかもしれませんよ?




 さぁて、バッタモンダーと再開したましろとプリキュア。


「そんな時間なんかない」 ――オトナの世界だと納期が大事だからねぇっていう冗談はともかく、まあ実際オトナは時間に追われるものですわ。仕事仲間はライバルでもあり、ある事柄において成果を挙げたほうが出世するってのはあるあるよ。


 実際、バッタモンダーのように残念な目に遭う例は少ないとしても、少ないとしてもということですよね。さて、これから次回予告で見た超サイヤ人バッタモンダーを見られるワケですが……およ?


 なんと、まさかのスキアヘッドへ先制攻撃ですわ。これは意外すぎる展開にわくわくが止まらん。ましろの「自分の価値は自分できめる」がなんかヘンな方向に効いたっぽいっスね。


 変身アイテムをましろに返したのはどういった理由だったのだろう? ――プリキュアを倒して『自分の価値』を証明するためなのか、それとも最後の最後で自らの行いを正そうとしたのか――まあ、その答えはバッタモンモンだけが知るということにしときましょう。


 ってことで、いざスーパーサイヤ人バッタモンダーとの戦い、やってきましょう!!




 さすがアンダーグエナジー注入モード。序盤から圧倒的パワーでプリキュアを圧しこんでいきます。さらに畳み掛けるようにスキアヘッドの精神攻撃が炸裂。が、プリズムは「他者の評価なんぞどーでもええんじゃ!」というクリエイティブ業界に求められそーな素質を披露しております。


 そこからサブタイトルにもなった『プリズムシャイン』が炸裂! 消滅しかけたバッタモンダーのココロを明るく照らし出してくれましたね。


 これはスミキッター不可避。いままでさんざんっぱらイヤがらせしてきたバッタくんもましろのお人好し具合には呆れておりまする。わたしも呆れておりまする。ましろんちょっと聖人すぎない?


 反省してるなら許す。これはまあ言えてるコトなんでしょうけど『反省してるかどうか』はわかりようもないんだよなぁっていうツッコミはわたしのココロが汚れてるからですねわかります。


 バッタモンダーが去っていくあの歩きかた、どこか昭和アニメちっくでヘンな笑いが出ましたねぇ。今後はアレか? カバトンといっしょにお笑いコンビでも結成して過去の失敗談でもやるつもりか?


「いやー幼女誘拐に失敗しちゃいましてねー」


「その後も未遂ばっかでイヤーうまく行きませんなぁ!」


「他にも尊敬する人を人質にとったりせっかく描いた絵本を破り捨てたりしたよな。ま、でも改心したしすべて丸くおさまったからおっけー、みたいな?」


 炎上不可避だわコレ。自分のことは自分で決めるとか言ってる場合じゃねーわコレ。




 次回予告。え? 今更新キャラ登場? ――伝説のプリキュアにしてはソラとあげはが某ドラゴンボールのアレみたいな感じになってるなぁ。しかも衣装が『Go!プリンセスプリキュア』のトワっぽいし……カイゼリンか?


 いろいろ不穏な空気がスカイランドに漂っているようですが、プリキュアはこの苦境にどう立ち向かっていくのでしょうか?


 今回も楽しさふんだんな30分間でしたね。バッタモンダーとましろの関係がいい感じに描かれていました。これからバッタくんがどう活躍するのか、カバトンやミノトンたちの再登場はあるのか? まだまだ物語は続く『ひろがるスカイ!プリキュア』、クライマックスまでガンガン走っていこうぜ!


 プリキュアにもらったゲンキを胸に、今週も張り切ってやってきましょう! アナタの人生に幸あれ!!

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