第8話とある神様、梅雨の晴れ間に

 とある山奥の古い神社に、とある神様が独りで住んでいた

今は梅雨、久しぶりの晴れ間が見えて、神様嬉しそう

神社の敷地にあるベンチに腰をかけて、神様独り、ぼーっとしている

まだセミが鳴くには早い時期、静寂があたりを包む


神様、冷やした麦茶を湯呑みでくいっと飲んだ

まだ梅雨とはいえ、かなり暑い

冷たくひえた麦茶が神様を潤すのであった


神様がぼーっとしていると、すずめが飛んでやってきた

「神様~、こんにちは」

すずめはそういうと、神様の隣にちょこんと座った

「おう、すずめか、元気かや?」

神様がそう言うと、すずめは嬉しそうに答えた

「はぃ~、元気ですよ。それにしても暑いですね

そろそろ梅雨が明けて、夏本番ですね」

すずめがそう言うと、神様はにこっと笑い

「そうじゃな。今年も暑くなりそうじゃ」

と言った。神様、天気の話が好きなのであった


そんなどうでもいいが、楽しい会話をしつつ、二人はまったりと

梅雨の晴れ間を楽しんでいた

神様はおちょこに麦茶をついで、すずめにあげた

すずめ、美味しそうに麦茶を飲む

「ぷっは~、神様、やっぱり暑いときは麦茶ですね~」

神様はそれを聞くと嬉しそうに微笑む

「そうじゃろ、そうじゃろ。この神社の近くの井戸でくんだ

水でいれた麦茶じゃ。うまいじゃろ」


神様とすずめ、何事もなく、何事も起きない梅雨の晴れ間、

その穏やかな時間を二人でゆったりと楽しく過ごすのであった

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