4. 高嶺の花と体育祭
第17話
我が校のイベントの一つ、体育祭。
スポーツマンシップを発揮する絶好の日と言われているけれども。
「優勝以外認めない!!普段アピールの場が少ない分ここで!!」
「「おおー!!!!」」
「普段勉強ばっかのストレスをリレーで教師に若さを見せつけて発散!!!」
「「おおー!!!」」
進学校であるからか、普段のストレス発散のイベントになるのが例年。
リレーは教師も参加するので、毎年若さを武器として、けちょんけちょんにするようにもしている。
なんともまぁ…。
「器の小さいことよねぇ。」
「声に出てる、天草。」
「見ていて滑稽ですもの。その筆頭にいるのがまさかの友人、もう笑うしかないでしょう?」
「涼はイベント好きだしな。」
「それで?相馬はお姫さんのところに行かなくていいわけ?」
体育祭というイベントは自分の出番でない限り行動は自由。
恋人がいるほとんどの人は競技外の時間は一緒にいることが多いのだが。
私は絶賛仲違い?中なわけで。
「まぁ向こうもクラスの付き合いとかあるでしょ。綾乃だっているし、邪魔したら悪いよ。」
「あぁ、妹さんいるんだっけ。ふむ、要するに何か一緒にいづらい理由があるのかしら?」
なんで分かるんだよ。
今のわりと自然の言い方だったのに。
「勘ね。何か訳ありの付き合いだとしても、相馬は中途半端なことはしないでしょう?」
「……。」
どこまでバレている?
勘、鋭すぎじゃないか。
でも天草のことだから、誰かに言いふらすようなことはしないだろう。
「そろそろ競技の時間だし、行くわ。」
「頑張って。あぁ、それからこういうときこそ、お姫さまを見ていたほうがいいわよ。」
色々バレそうだし、退散しようとすると天草はそういう。
これも勘なのだろうが………。
「分かった。ありがとう。」
こういうときの天草は的確な指摘をすることが多いのを私は知っている。
その指摘通り、時間見つけて彼女に会いに行こうか。
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