第71話 海

 今日はバンドメンバーで海に来ている。人混みは苦手だ。


「正吾君どうですか? これ紐ですよ。脱がせやすいですからね」


「お前、何アピールしてんだ。こんなところでやれるかよ」


 女子は全員ビキニだ。丹菜の水着は色んなところがチョウチョ結びだ……好きだ! ただ、丹菜は何かを期待しているようだが流石にここでは手を出すつもりはない。


 芳賀さんが周りを警戒するようにキョロキョロ周りを見ている。周りの視線に気付いたようだ。


「なんかさっきからヤラシイ視線感じるんだけど……気のせいじゃ無いよね?」


 その言葉に空が呆れた感じでため息を吐く。


「愛花、お前ら学校でなんて言われてるか分知ってるか? 俺ら含めて『美少女達とそのしもべ達』だぞ。それが水着着てたら皆見るのは当然だろ」


 おい、それは俺も初めて聞くぞ! なんだその「しもべ」って。


 とにかく海に着くなり彼女達は視線の集中砲火を浴びている。そもそも三人とも可愛すぎる! スタイルいい。俺らには勿体ないほど可愛すぎる。しかも三人日焼け防止もあってメークもしっかりしている。

 ついでにおっぱいは陽葵が一番デカい。ただ、俺はデカいのは好みでは無い。丹菜と芳賀さんは同じくらいだ。標準より少し小さいくらいかな? 好みだ♡ そして俺は綺麗系より可愛い系が好きなので、外見では丹菜が一番可愛いと思ってる。性格まで比べたら……皆それぞれにいいと思うので正直選べない。


「空、オイル塗って」


「いいよ」


 早速芳賀さんは空にオイルを塗って貰ってる……貰ってるんだが……


“ピク……ン“ “……ァ” “モジモジ……ンン“


 なんか変な吐息混じりの声が聞こえるんだが……その声に俺の愚息が反応しかかっている。芳賀さんって感じやすいの? なんか……エロい。


 俺は当然丹菜の体にオイルを塗ってあげたがなんの反応も無かった。



「ちょっと飲み物買ってくるね」


「待って下さい、私も行きます」


「じゃあ私も」


 彼女達がこの場から居なくなり、俺達は周りのギャルズ達を眺めていた。


「空)なぁ……こうして見てるとさ、俺達の彼女って……可愛過ぎじゃないか?」

「大)やっぱそう思う?」

「正)俺、未だに夢かと思うぞ」

「空)わかる」


「大)確かにな。俺なんて『幼馴染み』のオプション付だもんな。幼馴染みがこんな可愛くて彼女って何の物語の主人公? 俺、意識不明の重体でどっかの病院に入院してて、実はこの世界、俺が見てるの夢の中じゃないかって思ってるからな」


「空)それ言ったら俺だって、女なんて寄りつかないこの俺にあの彼女だぞ? 未だになんかの罰ゲームで俺と付き合わされてんじゃ無いかって疑う時があるかならな」


「正)俺だってお隣さんが一人暮らし同士って……あり得ないだろ!」


「大)作者に感謝だな」


すると、彼女達が帰ってきた……が、一緒に見知らぬ男達を連れてきた。


「どうもありがと、ここに置いてくれればいいよ」


 俺は普通に「誰だ?」と思った。なので寝そべってた態勢から半身を起こして男達を見るが日差しが眩しく目を細める傍から見ると睨んで見える


「———誰?」


 俺の問いに男共はビビっているが……後ろめたいことでもあるんだろうか? 


「あ、この人達、飲み物とか持ってくれるって言うからお願いしたんだ」


「———そうか……それじゃあ、お礼しないとな」


 俺は礼を言うため正座しようと起き上がったが……、


「あ、いえ俺達はこれで———」


 男達は去って行った。お礼言いそびれた。すると芳賀さんが興奮して空に報告している。


「空、私、初めてナンパされたの。凄くない?」


「愛花さぁ……ナンパされて当然だろ? 綺麗なんだから……モジモジ」


 空って芳賀さんに大してはすぐ照れる。芳賀さんも照れまくってる。照れてるときの芳賀さんは可愛くなる。綺麗系の子が可愛らしさを見せるとギャップ萌えが生じる……いい……。


 気が付くと、大地君と陽葵は浮袋持って海に入って行った。


 俺達四人はビーチに残って話しをしていた。


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 暫くして海から戻ってきた陽葵は少し上気した顔で満足げな表情をしていた。大地は何食わぬ顔だ。ただ、雰囲気が「事後」っぽい。こいつら海の中で何かやってきたな? 丹菜も何か察したらしい。俺の方をチラチラ見ている。だけどここでは勘弁願いたい。あんたの性欲ちょっと怖いよ。求められればそれに応えちゃう俺も俺だけどさ……。


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 海から帰って来てソファーに横になってる……丹菜は部屋に着くまではやる気満だったが、シャワーを浴びたらすぐ寝てしまった。俺も今夜は勘弁願いたかったので助かった……。

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