奴隷売買

次の日の朝いつもの牢屋

 雨漏りする天井、穴が虫食いのように

 空いてツタが生えてて隣が見える壁

 蜘蛛の巣だらけの四隅にホコリ臭くて

 冬は寒くて夏は熱くて仕方がない。

 住心地レビューするなら星0の部屋だ。

そんな部屋で任務達成の報酬で買った

 裁縫道具に、調理機材、フカフカのメイの寝床

住んだばかりは何もなかったこの部屋だが。

 少しづつ機材を集めて住みやすくしている。

 パッチとユキがメイとじゃれている。

 この子達のじゃれ合いを見るのが

 今の俺にとって一番の癒しだ。

 今日の朝は、リンゴの紅茶にトマト、

レタス、ハム、チーズのサンドウィッチだ

保存が効くフランスパンに挟んで食べる。

 作りすぎた残りは昼に食べる。

 余った野菜は、メイのご飯になった

 メイが居ると野菜が腐ることなくて助かる。

 そんな朝を過ごしていると人の気配がした

影「ご朝食のところを失礼いたします。」

アオイ「…なんだ?」

影「本日の任務です。」

「最近奴隷商人が大量に逮捕されたのはご存知」

「ですか?」

 アオイ「噂は聞いたな。なんでも」

  「貴族も商人も芋づる式に逮捕されたと」

影「その件で、奴隷売買用の奴隷が」

 「現在、在庫がかなり少なくなっている」

 「そうです。」

アオイ「奴隷補充か?」

影「…はい。」

「それでは、俺は失礼しま…。」(グゥ〜〜)

その大きな腹の虫は石造りの牢屋には 

大きく響いた

影「すみません…それでは失礼いたします。」

アオイ「…ぷっ。ははは、別に良いさ。」

    「ほら、食べるか?」

影「っ!ですがそれはアオイさんの貴重な」

 (グゥ~)

アオイ「遠慮するな、伝令係いつもご苦労さま」

  「後はそうだなこれも持っていくといい。」

袋を手渡す。

影「これは?」

アオイ「俺が作った干し肉だ。」

   「後、干し魚も入れておいた」

   「嫌でなければもらってくれ。」

影「…ありがとうございます。」

 「この御恩は必ず返します…。」

 そう言って影は消えていった。

アオイ「ここの組織全体は嫌いだが。」

    アンタの事は嫌いじゃないからな。」

 影はこちらの要望もそつなくこなしてくれる。

 依頼の正確な詳細に任務報告

 報連相がちゃんとしてる人は

 どの世界でも有望な人材と決まっている。

 お金を渡せば機材も買ってきてくれる。

他の奴に渡せば大抵は酒場や賭博で金をするやつ

 ばかりなものだ。

 こっそり優遇しても怒られまい。 ――――――――――――――――――――――

GMさて ここからどうするっすか?

アオイ人族なら誰でも良いのか?

 人族とは(人間、エルフ、ドワーフなど)

 (ライフォスに連なる神々が作られた人種の)

 (総称 ナイトメアもこちらに当たる)

GM種族は問わないっす 

 蛮族でも構わないっすよ

 ただし蛮族の場合報酬は減給されるっす。

 蛮族とは(ゴブリン、ドレイク、などの)

(ダルクレムに連なる神々が作られた)

(種族の総称)

(ウィークリングもこちらに当たる)

アオイならなしだな。…奴隷か、盗賊とか

 奴隷にして心が痛まないような奴を

 ひっ捕らえようそうしよう。 

アオイ「善は急げだな。」

    「とりあえず酒場に行こう。」

    「パッチは留守番よろしくな。」

    「ユキ、メイ行くぞ。」

ユキ「クルルー」

メイ「メェ〜」

 ―――――――――――――――――――――

パッチワークの可愛らしいコーギー風の

ゴーレムがグルグルと牢屋内を周っている。

パッチ「ハッハッハッ。」

 (ご主人の重要任務をこなそう)

 (気配を感知ッ。)

 (何者だ!…む、コイツは。)

影「…ゴーレムだけか。」

 影はそっと天井から入ってきた。

 影の容姿をパッチだけは初めて見た。

影「…美味しかったです。」

 「足しにはなり得ませんが。」

 そう言ってお金が入った小包を置いておく。

  「……脱獄の成功を祈ってます。」

 影はまた天井を登り去ってゆく。

パッチ「………。」

   (…敵ではないな?たぶん?)

   (後でメイさんに報告せねば!) ――――――――――――――――――――――

 一方その頃。

 いつもの酒場にて

アオイ(ここは冒険者酒場も兼任しているから)

 (盗賊退治の依頼も受けつつ)

 (盗賊を売れたらベストだなさて依頼っと)

 何やら人集りが出来ていて騒がしい。

 戦士風の男が暴れているようだ。

戦士の男「おい!俺達はちゃんと依頼を」 

    「こなしたんだ!ちゃぁんと見返りを」

    「寄越せよ!」

受付嬢「達成出来てないです!」

  「あの依頼はゴブリンの生息地の炙り出し」

  「だったはずです!それなのにどうして」

  「ゴブリンを退治してしまったんですか?!」

  「貴方達のせいでゴブリン掃討作戦が」

  「台無しです!」

戦士「うるせぇ!たかが受付ごときが」

  「俺に指図するな!」

 男は受付嬢に手をあげようとしてきた!

受付嬢「ヒィッ!」

アオイ「メイ塞げ。」

メイ「メェ~。」

 受付嬢と戦士の間にメイが割って入る

 メイの羊毛の厚さによりノーダメージだ。

受付嬢「あ…え??助かった?」

戦士「くっそ何なんだ!?」

  「チッあぁ〜!!もう良い!」

 男はイライラしながら扉を開け放って 

出ていった。

アオイ「はぁ…品がないな。」

   「お嬢さん怪我は?」

受付嬢「あ、いえ、特にないです。あっあの!」

   「助けてくれてありがとうございます!」

アオイ「俺が気に食わなかっただけだ。」

  「それより、アイツはいつもああなのか?」

受付嬢「っ、はい…私達も困ってるんです。」

「酒代は払わない、任務は不祥事を」

「起こしてばかり冒険者以外の仕事も」

「真面目には働いていないようで(汗)」

「最近つるんでいる神官様もいい話は」

「聞きません。すみません、ちょっと」

 受付嬢が耳元でコッソリと 喋った。

「なんでも、死体を売っているとか…。」

 アオイ「…なるほど。」

受付嬢「今はここの通りをぬけたところにある」

   「星夜亭に滞在しているそうですので。」

「くれぐれも近づかないようにしてくださね。」

 「あの人達あれで 結構強いので(汗)」

 皮肉混じりに教えてくれる。

アオイ近くの軽食店で待機して来るのを待つ。

GM刑事物とかにある はりこみっすね!

カフェに入りしばらくすると

 客足も多くなり満席となった頃だった。

店員「お客様相席よろしいですか?」

アオイ「…いや、俺は。」

??「あーいたいた!探したよ〜」

  「ごめーんコイツ俺の連れだったわ〜。」

  「なぁ〜。」と馴れ馴れしい男が来た。

   当然 顔も名前も 知らない赤の他人だ

 赤い瞳にここらへんでは珍しい黒色の髪

 タレ目にヘラヘラした だらしない

 顔だがやけに整ってはいる。

 珍しい羽織に道着服という軽装だ。

中にはサラシを巻いているだけで何も着てない。

 かなり筋肉質で大柄だ。

アオイ「いや、違っ」男は手で塞ぎ遮る

??「てことでじゃあね〜。」

店員「はぁ…かしこまりました。」

??「いやぁ~悪いねお兄さん。」

アオイ「…。」

??「ねぇ店の中でも」

  「フード被ってることなくない?」

アオイ「嫌なら相席するな さっさと帰れ。」

??「冷たいねぇ〜。あ!すみませんエール!」

  「後 ツマミを二人分持ってきてー!」

アオイ「いや、俺はいらない。」

??「いーからいーから!」

  「暇だし 話し相手になってよお兄さん。」 アオイ「はぁ…厄介な奴。」

ロゼ「俺はロゼ!アンタは?」

アオイ「…………アオイ。」

ロゼ「へぇ~ならアオちゃんだ。」

アオイ(ちゃん付け…。)

ロゼ「アオちゃんはここよく来るのー?」

アオイ「…」

ロゼ「そこのヒツジと鳥はアオちゃんの?」

アオイ「……その子達に手を出すないいな?」

ロゼ「お前らこれ食べるー?」

メイ、ユキ「メェ~ キュー!」

野菜をパクパクと食べている。

ロゼ「おっお前らここのツマミのウマさが」

  「分かるのか〜おおーよしよし〜。」

アオイ「……すまないてっきり変な奴かと。」

ロゼ「いいっていいって。」

アオイ「だが それはお前の…!」

 するとターゲットがやって来た様だ。

アオイ「っ!…。」

(二人組か神官と…例の剣士か。)

 GM魔物知識判定して良いっすよ。

 6.7

 アオイ1+3=4+4=8○

アオイふむ、全力攻撃持ちが厄介だな。

GM神官で回復もできるっすね〜。

アオイ(策を練ったほうがいいな。)

アオイ「俺は帰る…エサくれた分の勘定は」

   「する。」  

ロゼ「えぇーもう行っちゃうの?残念。」

  「まっ仕方ないかぁ〜まったね〜。」

――――――――――――――――――――――

 深夜誰もが眠りにつく時間帯。

賑やかだったここの通りも閑散としている。

 黒いローブを目深く被り念のため目元は仮面を

 して聖印も 忍ばせて向かう。

 ターゲットは目前の星夜亭の

 二階最奥の部屋にチェックインしたようだ。

アオイ(ユキ偵察。)

 ゴーレム使役 6+3+3=12○

 ドールサイト11+3+3=17○

片目を手で覆いユキの目に映る視界を共有する。

アオイ(…酒飲みの男が二人)

  (一人は寝ているが…もう一人は)

  (何かを書いているな?)

ユキを窓の縁に座らせ書物が見える位置に移動

 (あれは…!)

 (明かりはランプのろうそく一つ)

アオイいいこと考えついた。(嘲笑)

GMわぁーこわぁ〜(汗)

アオイその前に準備だな。

 

アオイ 魔力3 カウンターマジック

 3+4=7+4=11

アオイ 魔力8 ファイアウェポン

――――――――――――――――――――――

神官「…へへへ、これで30万ガメル」

  「これからもっと死体を掘り」

  「起こさないとなぁ。」

神官は臓器売買の資料をまとめていた。

神官「恨んでくるやつもこの筋肉だるまが」

  「殺せばまた儲けられるハッハッハッ!」

そう言いながら寝ている戦士を見る。

戦士は昼に暴れていた奴だった。

 すると突然 窓のガラスが割れる!!

 窓を蹴破り黒ずくめの男が入ってきた!

神官「っ?!何だ!!」

 先制判定不意打ちによる先制獲得。

 戦闘開始!

 アオイのターン

 アオイ 魔力5消費

アオイ「先に封じさせてもらうぞ。」

 フォビドゥンマジック

 3+4=7+9=16

 5+6=11☓

神官「はっ…!はっ…!?」

   (声っが出ない??!)

 メイ、ユキに攻撃指示

 メイのターン

 威嚇2+3=5+5=10

 5+5=10○

 攻撃

 4+7=11

 3+10=13回避○

 ユキのターン

 神官に突き攻撃

 5+8=13

 3+3=6☓

 1+2+7=10-2=8ダメージ!

 神官は戦士の方に移動

神官は戦士を叩き起こした!

戦士「んぁ?なんだ??」

神官「っ!!!…つ!っ!」

戦士「?何してんだ…お前?」

神官「?!…!!っ!!」

神官はかなりご立腹の様子。

 2ターン目

メイの威嚇

 2+3=5+7=12

神官 5+8=13

戦士 5+12=17クリティカル◎

 GMうちの卓のマイルールはお分かりっすね?

 PL敵味方問わず戦闘時の回避時や抵抗判定

 クリティカルは回避時なら 反撃と回避不能

 抵抗判定時なら 攻撃魔法及び 全ての

         魔法効果消滅だろ?

GMてことで、反撃を受けるといいっす!

アオイメイすまない!

 耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ!

 メイは戦士に突進するがあっという間に

 回避されてしまう。

戦士「昼間は、良くも恥を欠かしてくれたな!」

   「お返しだ!!」

 メイ 回避不能必中

 7+5=12-2=10ダメージ!

メイ「メェェッ!」

 メイの大きな体を大きな斧で斬りつけてきた!!

戦士「へへへ、ザマァ見ろ!」

アオイ(…良かったこいつらなら)

  (地獄のようにつらい奴隷に送り出しても)

  (まったく 苦しまずに済むな。)

 ユキのターン!

 素早く翼を翻し戦士に突撃する!

 戦士に攻撃!

 5+6=11

 5+7=12○

戦士「おっとぉ。」

 戦士は回避した。

 アオイのターン

(メイは、恐らく次の一撃を耐えられない)

(かと言ってユキも攻撃型だ防御に)

(まわせない。)

アオイ「メイ 下がれ。」

メイ「メェ~…。」

 よろよろとした足取りで後退する。

 次ターン後退行動を取る。

アオイ「うちの子に怪我させたんだ覚悟しろ。」

 切り裂く風

 3+4=7+3=10

 5+6=11○

 5+5=10○

GMアオさんって運が壊滅的にないっすよね…

  3て。

アオイ…………………………知ってる。

 3+4+7=14÷2=7ダメージ!

 神官はふらついている!

 神官のターン

 行動を破棄。

 戦士のターン

GMなら、攻撃が当たるユキの方っす!

 6+5=11

アオイなぁ、GM(ルルブを読みながら)

 GMなんすか?

アオイこれユキは

飛行付いてるから命中と回避+1

  なんじゃ…。

GMあっ。+しておいてくださいッス!(汗)

 5+1=6+5=11同値回避!

 ヒラリと回避する。

 3ターン目

 メイのターン

 アオイのもとまで下がる。

 ユキのターン

 戦士に攻撃

 5+1=6+9=15

 5+2=7ファンブル☓ 

GMうぇっ!?

アオイ GMうちの卓の回避ファンブルは?

GM うっどんなに値が勝っていても必中さらに

 1ターン行動不能っす。

アオイよろしい。というわけでお手つきだ。

戦士「オラァ!」

 戦士の斧は大きく振りかぶりそして

 床板に刺さった。

戦士「あっ!くそ!取れねぇ!!!」

 1+2=3+10+10+7=30-4=26ダメージ!

ユキ………。

メイ「メェッ…メェ〜…………。」

メイは、とても苦しそうだ 出血もかなり酷い。

ユキ「キュー!!」

 ユキは電光石火の如く素早く飛び

 戦士の急所を確実に貫いた!

戦士「ガッ!」

 GM前衛も戦闘不能、

 後衛は魔法が使えない カカシ状態

 もう降参っすよ。

 戦闘終了。

 剥ぎ取り

 1+3=無し

 1+9=6 銀貨袋×6=300ガメル獲得

――――――――――――――――――――――

神官「…?!」

(逃げないと…逃げないとやられるっ!!!)

 神官は扉まで逃げていく…が先回りをされる。

アオイ「どこへ行くんだ?」

神官「〜!!!〜!っ!っー!!」

アオイ「暴れるな 面倒だ。」

 神官はジタバタと暴れる。

アオイ「それ以上騒ぐなら…」

   「また切り裂いてやろうか?」

 神官を壁に追い込み

 喉元にアオイの腕に生えている

 刃の様に鋭い羽を突きつける。

 窓が空いているせいでフードが落ちる。

 月明かりが顔の形を露わにさせる。

 そして 拘束術が 解ける。

 神官「?!その髪色!!それに翼の色!」

   「お、お前は!!」

(悪夢のっカラ…スッ…。)

 神官は倒れる。

アオイ「余計な事までよく喋る口だな。」

   「メイおいで治療をしよう。」

   「ユキは周囲の警戒を頼む。」

 メイに治療を施した。

 浅かった呼吸は元のペースに戻った。

アオイ「もう、大丈夫だぞ。」

   「お前も良く頑張ったな。」

 ユキの頭を指で撫でる。

 ホッとしたのかメイの隣でユキは眠った。

アオイ「…おやすみ。」

二匹をかごに入れて窓から立ち去るはずだった。

??「こぉーんな、夜更けになにしてんの?」

アオイ「っ!!」

 屋根であぐらをかいて座った青年は

 昼に出会ったあの馴れ馴れしい男だった。

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