オカルトホラー作品。ガチの奴です。
前半は近畿地方のある場所にまつわるオカルト話がいくつか語られていきます。
その話をムック本で扱うとなり、主人公に原稿依頼が来るのですが……。
雰囲気たっぷりのオカルト伝承がリアルに怖い。
この辺りかなり通と言うか造詣がが深くないと書けないなと思いました。
しかも物語が進むにつれどんどんと恐怖が忍び寄ってきます。
最早オカルトを楽しむレベルを超えて、現実に危機が迫っている感覚に陥ります。
ルポ調の文体も良き。
主人公の目線で取材を進めていく様子が克明に記されていく様は、それ系雑誌の長期追跡レポートを読んでいる雰囲気に溢れています。
まだまだ謎に包まれたストーリーはどこへと帰結するのか。
これからが楽しみな本作。
是非是非~
(17話時点でのレビューです)
”違和感の折り込み”がとてつもなく巧い。自然で読みやすい文体なのに、行間にいつの間にか入り込んでくるおかしな空気に気づいて読み返し、真顔になってしまう。その小さな違和感の積み重ねが物語全体の不気味さを膨張させ、読み手にえも言われぬ不安感を巻き起こす。
個々のエピソードはさまざまなスタイルの表現形式をとりつつも、”共通項”を造る事で物語がとっちらかる事はない。読み手は常に同じ方向を向いていられる、いや、向 か さ れ て い る 。
続きが気になって仕方がないが、すべてが完成し、話の全体を俯瞰して眺めた時、我々読者の精神が安定を保っていられるか、この禍々しさに巻き込まれてしまわないか、それが心配だ。