第4話第二の殺人
あの夜、戸田警視がシャワーを浴びている時、交通課の出雲は渡辺と会話している。
出雲の口を塞がなくては。
ある日、出雲に戸田は捜査協力として、話を聴きたいと警察署の屋上に呼んだ。
「戸田警視。わたしは渡辺警部補の最後のしゃべった人間です。あの時、警視もいらっしゃいましたよね?」
「あぁ、いたよ。しかし、どこで渡辺警部補が殺害されたのか?理解に苦しんでる」
「まさかとは、思うんですが、警視が殺った訳ではないですよね?」
「ば、バカなことを。出雲巡査部長。この話しは誰かにしたのかな?」
「……してませんよ」
「変な噂が立つかもしれないしね。何か思い出したら、オレに知らせておくれ」
「分かりました」
そう行って、戸田は出雲に近付きスタンガンを首筋に当てた。
ウギャー
何度も何度も電流を流した。そして、倒れた出雲を屋上から蹴落とした。
夜の7時。
現場は騒然となった。
黒井川警部は冷たくなった出雲の腕時計に目をつけた。
針が痙攣しているのだ。
「山崎君、どう思う?」
「転落の衝撃で時計がイカれたんじゃ?」
「でも、傷なんてないよ。よし、確かめよう。警察署ないの職員通過口の入館証を調べよう」
2人は、出雲の所持品から、首にぶら下げてある、入館証を入り口でタッチパネルに当てた。
結果は何度試しても、エラーが出た。
「山崎君、これは自殺じゃないね。誰かに強い電流を流されたんだよ」
「あっ、スタンガンか何かで気絶させて、屋上から落っことしたんだ」
「そういう事」
「じゃ、犯人は警察関係者?」
「九分九厘」
「後、戸田警視の関係を調べた?」
「はい。亡くなった渡辺警部補とは、仲が結構良かったみたいですね。週末はほとんど渡辺警部補の別荘に宿泊されていたようで」
「山崎、悪いけど先週の土曜日、戸田警視はどこにいたか調べて置いて!」
「仕事してたらしいですよ」
「どうだか」
「君の腕に掛かってる。山崎巡査。戸田に悟れるなよ!」
「はい」
きっと、黒井川警部は私を疑っているだろう。しかし、口封じはした。
あのノンキャリアの黒井川に私が負ける訳は がない。
私の鉄壁のアリバイを崩せるものか?
あの晩は、リモート会議だったのだから。
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