101話・魔力を込めた武具の作り方

久しぶりに2000文字以上書いた、疲れた~

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 作成班の子達からのお願い、その内容は「魔力を宿した武具を作りたい」という物、しかし、なぜお願いしに来た子のほとんどが女の子なのだろうか……。


「何故作りたいんですか?」


「絢様の武器を見ていたらどうしても自分たちも作りたいと思ってしまって……」


「なぜ私なら教えられると??」


「バルドルフ様が、今の絢様の武器は絢様が自分で作ったって言ってましたよ?」


 一体バルドルフは私の事をどこまで知っているのかしら……まあ、教えるのは良いわね、商材が増えるし、何より知っている人が多いと新しい見方も多くできる。


「いいですよ、貴方達の他にも教えてほしい子はいるんですか?」


「いえ、此処にいるので全員です」


「なら大丈夫ね、今から工房に行くわよ」


「「はい!!」」


 それから作成班がよく使う工房に行き、この子達に授業を始める。


「では、まず知識からです、魔法とは何でしょうか」


 彼女たちの一人が手を挙げたので試しに名前を呼んで当ててみると、その子はすらすらと答えた。


「魔法は私達の中にある魔力に、自分のイメージを伝えて起こすものです」


 おおむね正解と言っていいだろう、しかし回答した子はなぜか疑問符を浮かべていた、他の子も同様だ。


「魔力を宿した武具といいますが、厳密には、魔力を吸うように加工された武具というのが正確です、武具にイメージを刻み込んで、吸い込ませた魔力を使用させて刻み込んだイメージを発動させる、これが魔武具や聖武具、分かりやすく言うと魔剣や聖剣の詳細です、誰か質問がある人はいますか?」


 そう言うと何人か手を挙げた、取りあえず手前から当てる。


「魔剣と聖剣の違いって何なんですか?」


「とても単純な話です、聖剣は持ち主や周囲に効果を表し、魔剣は剣自身に効果を表します、例えば私のこの刀ですが、これは、ひたすら強度と柔軟性、斬撃性能を鍛えました、これはこの刀にしか効果を表しませんので魔剣に当たります、反対に持ち主の身体能力を上げたり、振るたびに持ち主を回復したり、敵の能力を下げたり、そういった能力は一切ないのでこれは聖剣には当たりません……、分かりました?」


 そう聞くと、全員が首を縦に振り、もう一度何か質問が無いか聞くと今度は誰も手を挙げなかったので、実技を始める。

 実技を始める前に全員に今創り出した本と素材に書き込むための特殊なインクとペンを一組ずつ配る、何人か悪感情を持ってはいないが、受け取れないと言っていた子がいたが、「それを持っていないと授業が始められない」と言うと受け取ってくれた。


「ではまず表紙をめくってください、そこには例文が書いてあります、適当に自分の好きな金属を取ってそれを付与してみてください」


 そう言うと全員が自分で素材を取りに行った、一重に金属と言っても、イメージを付与しやすい物やそうでない物など様々な特性がある、まあその分高いのはご愛敬だが、此処ではそんなものを気にする必要はない、どんなものでも一定のレベルで付与することはできるが、それは相応の技術あってこそ、まずは金属の選定からしてもらう、此処にいる子達ならできるはずだ……。

 暫く待っていると全員が選び終わったようだ、それぞれが持っているのはそれなりに付与しやすい種類、取りあえずは全員が合格といったところだろうか……実は、答えは渡した本に書いてったので、一部はそれを見たかもしれない、一応開始の合図をして、全員に開始してもらった、全員が一生懸命、金属に約100節ほどの文章の付与を施していく。

 その間暇なので、私は別のことをする、昨日作り出した金属、これは焼く前は驚くほど柔らかいが、焼いた後は反対にとてつもなく固い、しかも自分で元の形に戻るので、繰り返し鍛錬という物が出来ない、ならば……柔らかい物に書き込めばいい、言うは易く行うは難し、一旦型で形を整え、その形を崩さないように書き込む、異常に難しい……ができないことではない、実際成功した、効果は今の刀の効果をさらに上昇させたもの、身体能力の向上と振るたびに持ち主の回復、つまりは魔剣と聖剣の複合、それに火を入れる、武器自体は完成した。


 自分の作業が終わったので周りを見ると、ぼちぼちを終わりそうな子が出てきていた、終わった子から好きに剣を打たせ、全員が終わったことを確認してから次の作業に入る。


「今から貴方達にやってもらうのは、作成後の付与です、変わることは、書き込む文字と、金属で無い物でも書き込むことが出来るという事だけです、本の次のページに例題が書いてありますので、やってみましょう」


 このままなら全員成功するだろう、私も仕上げとして先ほど作り出した金属に付与する、こちらはとても簡単だ、普通よりも数段上の型さの金属に書き込むのだから、そしてこの子達も次々に完成させていく。


「皆さんには一ヶ月ほど休暇を取らせます、有給という物です、その間好きなだけ鍛錬してください、一定水準以上あれば、少し高めの武具として売り出します、今日渡した本にはいろいろなことが書いてありますから、たくさん読んで覚えてください」


「「はい!!」」


 今日はそれで終わった、『今日は』と付けたのは、何処かで、「私に鍛錬をお願いしたら鍛えてくれる」という噂が流れ、暫くの間、私にお願いが殺到し、お願いボックスなるものが城の各所に設置されることになった。

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これから絢ちゃんはどんどん大変な事をお願いされていく

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