97話・新金属の作成

ゴーレム完成まで、今回を含めて5話の予定

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 あの後、仕事の事を思い出し、急いで仕事をしようと思ったのだが、アイシャがあまりにも仕事ができないため、彼女の秘書と色々と商談をした、ベンタールの所の秘書さんはまだあきらめていなかったが、此処の秘書さんは、完全にアイシャに仕事をさせることをあきらめていた、今までの所と殆ど同じような条件での取引、技術自体はあるのに、ノウハウや実績がないせいでうまくいってない観光事業を商会が手伝う事になった。

 その後、無事転移で家に帰り、バルドルに色々と手配を任せ、私はゴーレム作成用の合金作成に手をつける事にした。


「しかし、何処から手を着けましょうか……」


 私の前には4つの大陸で買い集め、既に読み終えた数万冊の本と、大量の素材を並べている、取りあえず素材ごとの特性を確かめるところから始める、適当に素材を浮かして、腐食や劣化等々色々な効果を載せたレーザー的な物を照射する。

 照射開始から一秒後、全ての金属がボロボロに崩れた、流石に素では弱すぎる、此処から錬金術を開始する、適当に本を読みこみ、錬金術の基礎は、全ての分野分は記憶したので、有用そうな材料は全てまとめてある、配合の割合もミリグラム単位で変えて配合していく、約8時間を掛けて全て作り終わった頃には数万単位の数のインゴットが出来ていた。

 大量のインゴットに向けて、先ほどと同じようにレーザー的な物を照射する、10秒ほど照射した時点で1割のインゴットが崩れ去る、そこから10秒ごとに込める魔力を上げて威力を上げる、威力を上げるごとに少しづつインゴットが崩れていき、一時間後には4つにまで減ってしまった最後の最後で一気に出力を最大まで上げると、結局全て崩れ去ってしまった。


「はあ、余り上手くは行きませんね、もう少し頑張ってみますか……」


 それから18時間後錬金術によるインゴット作成の手際も良くなり、作り出したインゴットも8桁を超えたころ、もう常識の範囲内での錬金術で私の求める金属は作り出せないと悟り、常識の範囲外で錬金術をすることにした、まず素材に魔力を使う、錬金術の思想は少ない魔力で魔法使いと同じくらい魔法を使えるようにするもの、それ故に操作以外には一切魔力を使わない、だから魔法を使って素材を作り出すことは異常な事なのだが、

私はこれを破る、つまりこれからすることは錬金術ではない、幾つかの素材と大量の魔力を消費して、インゴットを作成する、完成したインゴットは見た目は無色、光の屈折もないせいで、一度手を離すと拾うことは不可能になりそうだが、今は持っているので関係がない、魔力で包むと思ったより良く魔力が伝わり、少し多めに持っていかれた、今までと同じようにインゴットを浮かし、レーザー的な物を全力で10秒間照射する、照射が終わった時、インゴットは無傷でそこに浮いていた。


「出来た……」


 こうして、私が求めるゴーレムに使う全く新しいインゴットが完成した。

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こうして当時世界最高の金属が完成した

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