96話・主人公VS戦闘用ゴーレムー2

今回は機械相手に容赦のない絢ちゃんです、絢ちゃんの戦闘狂はいつ消えるのでしょうか……

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 私の攻撃でひびが入った『ドラゴノイド』はいったん後方に下がる、ひびが入ったと言っても、『ドラゴノイド』の右手で防がれた上、何層も重ねられた装甲の一層目、その表面を割っただけで、まだまだ威力が足りない、気術の練度を上げ、身体強化の細分化と倍率を上昇させる、身体強化の最大倍率よりは程遠いが、気術のおかげか最大倍率の時以上に体の動きがいい。


 互いに少し止まり相手を観察していたが、今度はこちらから攻めることにした、一気に『ドラゴノイド』の懐まで一度で踏み込み、思いっきり殴る、今回はひびは入らなかったものの、私の約10倍位の大きさの『ドラゴノイド』を大きく吹き飛ばし、私は全力で前跳びをし、吹き飛ばした『ドラゴノイド』に追いつき前蹴りを喰らわす、後方に見える山にまで飛ばし、その場所を確認して転移すると足を掴まれ地面にたたきつけられる。

 『ドラゴノイド』がもう一度腕を振り回し、私は反対側へ叩きつけられる一瞬で右手を地面につけ、その手を支柱にして私が『ドラゴノイド』を叩きつける、攻撃が効いているのかいないのか、そんなことは関係なく、私は攻撃を続ける、もう3、4回大技を出した時には元の場所に戻ってきていた。


「元の場所に戻ってきましたね、貴方はまだまだできますよね?」


 あれから何度も攻撃をしたが『ドラゴノイド』の装甲にひびが入ることは無かった、攻撃に当たっても特にダメージは受けないが、このままずっと続けていても、この戦いは終わらない、魔法での身体強化を限界まで細分化、その上で倍率を最大にまで上昇させる、気術の操作はまだうまくいかないが、全力で空気中の魔素を体内に取り込み、体中に漲らせる、全く別の物ではないため、この二つの力は混ざり合い、その効果は、足し算ではなく、掛け算で増えていく。

 もう一度『ドラゴノイド』に向かって踏み込み、全力で殴る、『ドラゴノイド』の防御は間に合わず、私の拳は腹に当たる部分に直撃、直撃した部分の装甲を三枚抜き、全身にひびを入れる、しかしまだ『ドラゴノイド』の装甲は残っている、しかしまだ私の攻撃は終わっていない、攻撃と同時に地面が沈み『ドラゴノイド』が吹き飛ぶ前に、その先にまわり、背中側から真反対の方向に同じ威力の攻撃を加え、『ドラゴノイド』を叩き落し、体のばねや魔法などで推進力を得て、踏みつけ地面に沈める、

 今中のアイシャが「ちょっと待って」とか言っていたような気がするが、まだ連撃を加える、『ドラゴノイド』は二足歩行の竜であり、流ならば尻尾がついている、その尻尾を握り、全力で仰向けになる様に投げ、顔面を殴ると壊れてしまった、そのまま続きの一撃を加えようとしたところで、バルドルフに邪魔された。


「バルドルフ、どういうつもり?」


「今回はお試しのはずです、流石に全損までするのはやりすぎかと……」


 思い出せば、これはただの小手調べで、本番では無かった。


「……そうですね、アイシャは大丈夫ですか?」


「あー!!『ドラゴノイド』の頭部がー!!」


 急に声のした方をを見ると、アイシャが半壊した『ドラゴノイド』の前でうずくまっていた、流石の私にも罪悪感がわく。


「大丈夫ですか……?」


「このくらいなら、三日もあれば、まだ治せる……はず、……いや、大会までにもっと強化する!!」


「それは……はい、頑張ってください。

 ……しかし、ゴーレムですか……何度か消し飛ばすつもりで殴ったのですが、まだ原形が残っているんですね、しかし何処まで強化できるでしょうか、このままの強さでは自分で戦ったほうが早いですし……」


 そう、私が感想を述べると、アイシャは自分の胸を指して言い張る。


「それはロマンだよ!!」


「ロマン、ですか?」


「そう、ロマン!!

 ロマンさえあれば強さなんてどうでもいいんだよ!!」


「そういうものですかね~

 そう言えば大会の日程って聞きましたっけ?」


 私が悩んでいるとアイシャが日程を教えてくれた。


「大会は2週間後、ルールはゴーレムなら何でもあり、雨天決行だよ!!

 他の魔王達もみんな参加してくれるんだ、絢ちゃんも絶対来てよ!!」


 他の魔王も来るんですか……おそらくロマンの力という物でしょう、しかし何か重要な物を忘れているような……。

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かなり大規模な戦闘な気がするけど、こんごの戦闘からすればまだまだ小規模

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