「『テルマエロマエ』書いたヤマザキマリさんのお母さんは変わっていて、お嬢様でね、音楽家なの。やりたいことをやるために実家から勘当されて生活しているんだけど、お金ないのに、何か高いもの買って来るから貧乏だったんだって」

　と、話したら、長男と次男が顔を見合わせてくすくすと笑った。

「え？　え？　どうしたの？」

「しまこちゃんもいっしょだね」

「え！？　全然違うよ！」

「いっしょだよ。なんか、いつもおいしいもの買って来てさ、そんで『うちにはお金がない』とか言うの」

「え？　だっておいしいものは重要だから。しまこは高級品は買わないもん！　……好きなものは買うけど」

　なんだか、長男と次男はにやにや笑って、しまこの意見を聞いてくれませんでした。

　え？

　しまこは常識人ですよ？

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