カラオケと車:後編
「車、やっぱり土曜日だって」
「え! ひどっ」
「最初さ、『カラオケ、車使うの? 電車じゃなくて?』とか言うんだよ」
「えー、ないないない」
「だから、『車で行くよ』って言ったの。そうしたら、夫くんが送ってくれて、車屋さんに車を届け、それから乗り換えた車をカラオケ屋さんに持って来てくれるんだって」
「へえ。あ、じゃあ、父くんはどうやって帰るの?」
「え? 歩き?」
「ぷっ。かわいそう!(くすくす)」
「あ、でも、電車かも」
「ぷっ(くすくす)」
カラオケはフリータイムなんです。
「ねえ、カラオケさ、一応夫くんにも声をかける?」
「ええ、やだなあ」
「それは分かる。ずーっと寝ていそうじゃない? カラオケルームで」
「そうそう。それに、『早く帰ろう』って言い出す」
「うんうん、絶対にそう! 一人で動きが違うんだよね」
「それにさ、食事を頼むときも『そんな高いもの頼んで』とか言う」
「分かる分かる」
でもかわいそうなので、声をかけましたよ?
「ねえ、土曜日、カラオケ、行く?」
「行かない」(即答)
まあ、そのような事情なんです。
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