沙悟浄の安らぎを願っていた

有名な西遊記のキャラクターたちを、ここまで人間臭く身近に感じられる像に落とし込んで描かれたのか、と驚きました。
万物の天才の孫悟空。
あらゆる楽しみを見つける名人・猪八戒。
大きな慈愛で彼らを包む、度量の大きい秀才・三蔵法師。
この三人に囲まれて日々を過ごす沙悟浄は、自分が常に調停役(観察者)のような立場でいることに悩んでいます。
ですが、沙悟浄が彼らを冷静に観察する姿は愛が感じられます。
「なんだかんだ言っても彼らが好きで、彼らといる自分のことも好きなんじゃないか」と思えます。

沙悟浄は一人で鬱々と悩むより、大変でも心許せる仲間と問題に立ち向かっているときが一番輝いているんじゃないのかな。

……それにしても、一人だけ無力な人間のままで彼らに対峙する三蔵法師って超人だぁな……