第25話 家具選び
「さて、とりあえずソファーから探すか」
「せっかく買うならふっかふかなものにしましょう」
「うん、ふわふわな奴がいいな!」
置いてある場所を見つけるのに少々時間がかかったが、商品はそこそこ種類があった。
まずは一番大事な色から探そう。
「俺の趣味としては暗い色がいいな。ただ真っ白な部屋だからそこにおいても違和感のないようなものにしないと」
試しに一番近くにあったものに座ってみる。
「うーん、悪いとは思わないけれど魔王城にあったものよりは明らかに劣るな」
俺が座るだけならこれでもいいのだが、あの二人も使うということを考えると、ほかのも飲ん強いたほうがよさそうだな。
思い切って一番高いものにしてみようか。
「これが一番高いものか」
試しに座ってみる。
座り心地もさっきの
ソファーとはまるで違う、これで毎日寝てもいいと思えるくらいだ。
色も黒で俺好みだが、問題は二人はどう思うかだ。
「なあ二人とも、ちょっとこっちに来てくれないか」
「どうしたの魔王様」
「これに座ってみてくれないか?」
「別にいいわよ」
「うわー、ふかふかなソファーだね!」
「本当だ、もしかしてこれを買うつもりなの?」
「二人が気に入ってくれればこれにするつもりだったのだが、どうだ?」
「いいじゃん! 私これにしたい」
「魔王にしてはなかなかいいものを選んだんじゃないの」
「それじゃあこのソファーで決まりだな。それじゃあ次はベッドを探すか」
なぜソファーを先に見ていたのかというと、ベッドのほうは種類が多いから。
さっさと決めたいが、なかなかそうはいかないんだろうなぁ。
俺が行くより前に二人はすでにベッド選びを始めていたようだった。
「魔王様、私これがいいな!」
「ピンクのシンプルなベッドか。かわいらしくていいんじゃないか」
「本当はね、あっちのお姫様みたいなベッドがよかったんだけど、魔王様と一緒に寝たいからこっちにしたの!」
彼女の指さしたベッドを見てみる。
天蓋のついたもので、確かにお姫様が使っていそうなベッドだ。
「どうせならあっちでもいいんだぞ。せっかくなんだから一番好きなものを選びなさい」
「私は魔王様と一緒に寝れればなんでもいいの!」
「そんなに一緒に寝たいのか。別にいいがなんで?」
「うーん、魔王様のそばにいると落ち着くの!」
「そういってもらえると嬉しいよ。俺もマーシャと一緒にいると落ち着ける」
「なにこれかわいい! でも魔王が欲情するかもしれないからこっちのほうがいいかしら? でもあたしはシンプルなのでも……」
マーシャはすぐに決められたようだが、マリーはそう簡単には決まりそうにないな。
「そうだ魔王様、聞き忘れてたけどどうしてマリーは私たちと一緒に行動することになったの?」
「なぜって俺が村長候補と言ったらついてきたんだったかな」
「そうなんだ、会った時に私に関して何か言ってた?」
「いや俺が一人で行動していると思てったみたいだぞ」
「ありがとう魔王様、それならいいんだ」
二人は俺の知らないところで何か関係があるのか?
聞きたいけど残念そうにしている彼女の姿を見ると、そんなことを聞けそうにない。
「これに決めた! 魔王これ買って!」
「そんなに大きな声を出すな、ほかのお客さんに迷惑だろ」
「だってほかのお客さんいないよ」
「…………確かにそうだな、結構広い店なのに全然人がいないじゃないか」
「魔王様が頑張らないといけないね!」
「そうだな、人口を増加させないと経済は発展しなさそうだしな。で、どれに決めたんだ?」
「これ、私にピッタリだと思わない?」
「マーシャがさっき指さしていたやつだな。まあいいんじゃないか」
「なんでそんな薄い反応なのよ!」
「あまりに似合いすぎていていい言葉が思い浮かばなかったんだ」
「そういうことなら許してあげる。でもこれどうやってあの家に持って帰るの? ひとつならともかく三つも買ったら持ち帰れないんじゃない」
「三つじゃなくて二つだぞ、俺とマーシャが一緒のベッド使うからな」
「なにそれ、そういうことは早くいってよね! 私のことを仲間外れにするつもりだったんでしょ」
「そんなわけないだろ。それにマーシャの選んだやつで三人で寝るのは難しい。マリーは別で寝てもいいんじゃないのか?」
「それじゃまあ王がさみしがっちゃうじゃない! 選び直しよ」
結局、一番高いダブルベッドを一つを買うことになった。
あとはソファーだったりテーブルだったり仏ようなもの一式を購入した。
「本当にこれ全部お買い上げいただけるのですか?」
「量が多くて申し訳ない、代金はこれくらいあれば足りるか? おつりはいらん」
「こんなにいただいていいのですか、ありがとうございます」
釣りを数えるのが面倒なので多めの金額を出した。
「もしよろしければ、商品をご自宅まで運びましょうか?」
改めて買った内容を確認する。
ベッドとソファー、テーブルに椅子。あとは二人の気に入った家具を何個か。
とても三人じゃ運べないし、お願いするか。
「よろしくお願いする、俺たちだけじゃ運ぶのに一日かかってしまう」
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