第7話 明日の予定
夕飯を食べて帰宅。
「お昼も夜もおいしかった!」
「喜んでくれたんならよかった。そうだ、マーシャは早起きが得意か?」
「苦手ではないよ。寝起きもいいはずだし」
「それならよかった。明日は忙しい一日になりそうだからな」
「そうなんだ! 明日は何するの?」
「村長のところに行って、クエストを完了させる。そして夕方までにはここに戻ってきたい」
「明日は忙しくなりそうだね。頑張ろう魔王様!」
クエストのほうは危なさそうだし一人で行くつもりだったのだが……。
彼女がそばにいてくれたほうが心強いし、留守番しているように言っても聞かなそうだからな。
「ねえねえ魔王様、ここってお風呂あるの?」
「トイレの横のあっちの部屋がそれだと思うぞ」
「ほんとだ! お風呂入っていい?」
「いちいち言聞かなくたっていいんだぞ。あったまって来い」
「えー。魔王様も一緒に入ってくれるんじゃないの?」
「俺は一人で入るのが趣味なんだ。悪いが一人で入ってくれないか」
「そうなの? 残念」
マーシャはそう言うと、扉を閉じた。
そして水の出てる音がする。
「わー、このお湯すごいあったかい! やけどしちゃわないかな?」
風呂場からマーシャの楽しそうな声が聞こえてくる。
今日はたくさん歩いたし疲れているんだろう。
彼女の楽しそうな声を聴きながらベッドで横になる。
「今まで忘れてたけど魔王領の国民は大丈夫なのか?」
祖父から『勇者は国民たちから何もかも奪っていく』と言われたことがある。
俺が勇者を倒せていれば国民たちには被害が出なかっただろうが、惨敗だったからな。
「それにしたってなんで強くなったんだろう、まさか突然変異で強くなったわけでもないだろうし」
………………。
まてよ、俺は今レベル99。
今朝までのレベルははかったことがなかったが、マーシャとあってから確実に強くなった気がする。
今の俺だったらもしかしたら勇者といい勝負ができるかも知れない。
国民を守りたい、そのためには勇者と戦う必要がある。
そして勇者と戦うためにはマーシャを預かってくれる人と場所が必要。
「明後日ユスト町に行こう。あそこは祖父の代からずっと収めていた土地、もしかしたらまだ抵抗しているかもしれない」
本当は明日にでも行きたいが、明日は用事で埋まっている。一度クエストを受けてしまった以上はキャンセルなんてしたくない。
あのダンジョンは勇者たちでさえ途中であきらめたという噂がある。もしこのクエストをクリアできれば俺が勇者たちよりも強いという証明になる。
「魔王様お風呂出ました!」
今後の目標を立て終わると、マーシャが戻ってきた。
「ありがとうマーシャ。それじゃあ俺も入るよ。明日から頑張るぞ!」
「張り切っていますね魔王様、どこまでも一緒に行きますよ」
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