第13話 訓練

 パーティは、大成功だった!! ハズ……。たぶん、きっと、maybe……。

 起きた後、みんなでお片付けして一日ゆっくりしました。


 はい!! っというわけで! 今日から訓練を始めます!


 やってきたのは連盟の訓練所!

*訓練所:連盟員ならだれでも使える魔力加工された施設。長野支部の場合、土の属性を持つ副局長のお手製。広いうえにとても頑丈。評判は大変良い。


 本日は、穂乃香さんに魔術の腕前を披露していただこうと思います!!

 それでは、意気込みを聞いていきましょう!

 どうぞ!!!


「精一杯がんばります!! フンス!!」

 う~ん、気合いっぱいで大変よろしいですね~。非常にかわいい。


「えへへへ~」


 そして、ゲストにも来ていただいております!

 どうぞ!!!

「タツです。お付き合いしてください」(手を差し出す)バっ!

「みっちゃんです。結婚を前提にお付き合いをお願いします!」

(手を差し出す)バっ!

「ガスですっ! スケベ……しようや……」(腰を突き出す)ズイっ!


「??? ごめんさい?」

 困惑しながらも、しっかり拒否するお利口さん。


 あははー。バカばっかりですね~~~。ちょ~っと失礼しますね~~~~。


 ぶち殺されてぇのか!!!! このカスどもがぁ!!!! ガース!!!! テメェまてっ! ごらぁ!!!!


 パパはあんな奴ら絶対許しません!!

 ッチ、「役に立つ」っつーから連れてきてやったのに……。恩を仇で返しやがった。



 はいどうも、お待たせしました!!

 三馬鹿は役に立たねぇので、たまたま見つけたレアキャラにご登場をお願いします!*食堂で捕まえた。いい人。


北野奏きたのかなでです」


 はい、狩人連盟、長野支部局長様です。とってもえらいひとです。

 よろしくお願いします。(深~くお辞儀)


「はい、お任せください。魔力性質・陽 SSS+非常に興味があります」


 元々は魔術協会で研究をされていた、非常に魔術に造氏が深い方です。

 きっと、的確なアドバイスをくださるでしょう。


 では、攻撃魔術からお願いします!!


「はい!!! いきます!!」


 ピッッカァ!!!

 !!?? これはっ!!


 ……はい! どうやら明るく光っただけのようです!


「っ!!」(しゅん)

 あぁ!? 穂乃香かが落ち込んでしまっているっ!


 ゆけっ! もふもふ部隊!! 彼女を慰めるのだ!!!

「ほのちゃ~ん」

「ウォッフ!!」

 もふもふ、もにゅもにゅ。


「ふむ、本来強く光の魔術属性を引き出せるのなら、熱戦のような物理現象をおこしたり、概念的な魔術も個人の資質で可能です」

「資質は十分でしょう? SSS+ですよ……」

「はい。なのでまだ何とも言えません。穂乃香さん。他の術も見せてもらえますか?」

「はっはい!」


防御魔術(光の膜で自分を覆った、非常に強固な守り。見事。)

医療魔術(専用のキット使用、完璧。いうことなし。ほぼベ〇マ。)

身体強化(荒いが、かなりの出力。)


「やはり心に問題があるのではないかと。穂乃香さんには、相手を害する意思が足りないのではないでしょうか? 敵意、殺意といった負の感情が――まぁ、推測ではありますが……」

   

 わざわざ付き合ってくださった局長にお礼を言い、反省会。

「まぁ、今後の課題だなぁ。その……ピッカァ!! 以外は、素晴らしいって褒められてたよ? 特に医療」

 落ち込み気味の穂乃香を励ます。

「でも…」

「大丈夫、だいじょ~ぶ。攻撃は俺か、ポンタがやりゃあいいんだから。それに、できないって決まったわけでもなし。心配ないよ。おまけに医療魔術なんか、桁違いだから! 優秀過ぎて驚いたぐらいだよ! 本当に、気を落とす必要なんかないんだよ」

 医療魔術だけでも引く手数多なはずだ。ほぼ理想値叩き出してたからな。


「……。はい! 頑張ります!!」

 うつむき気味の顔が、やる気に満ちた顔へと変化する。

 いいね~。前向きな姿勢が素晴らしいっ!

 ただ――確認したいことがある。

「ちなみになんだけどー」


 彼女との距離を詰める。

 少しだけ、魔力を開放する――

「今、魔術使える?」



 ――いやぁ~まいったね~。

 こりゃ、鬼札になる。

「はははっ!! すげぇ!! 凄いよ穂乃香っ!!」

「???」

 困惑気味の穂乃香。

 すこしだけの開放だが、魔力に全く乱れがない。俺の性質――正面から無視できんのは兄貴だけだった。

 凄いなぁ。穂乃香は凄い!

 さすがは、俺の娘だ!!













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