閑話
恐慌状態に陥っていた
「ドラゴン(石像)は……」
ドラゴン(石像)が居たであろう場所には瓦礫の山があるだけでそれがドラゴン(石像)だったと思わせる部位は見当たらない。それでも。
「タクト、お前も治療を受けてメシを食え」
「あ、はい……」
正直、疲れすぎて何かを食べれる気がしていなかった。
それは
どこか自分達は特別な存在で死ぬことは無い。そんな風に考えていたのに今回の探索で死の手はすぐ近くにあることを痛感させられた。
そして二人を含む衛兵達は一度撤退することを決定して洞窟の探索を終えた。
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
ルゥビスに帰って諸々の報告を済ませた二人は以前より真剣に鍛錬に取り組んだ。
その反面で鍛錬のあとは側付きの侍女を抱き、休暇になると娼館に通い詰めるようになった。
それは死の恐怖から逃れるための行為であり快楽を得るためのものではなかった。
そして今日もまた側付きの侍女が鍛錬のあとの身の回りの世話をするために部屋にやってきたところを抱いた。
「タクト様、どうされたのですか?」
侍女のなかで三度果てた
「すまん、もう少しだけ、こうしていさせてくれ」
「はい……」
そしてその父親が戻らず家督を継ぐために求められる武力を持ったものが居なかったことで彼女の家族は貴族としての地位を失った。
それでも王城で侍女として働けるだけマシだと考えていたカティに転機が訪れた。それは召喚されたものの世話係になること。召喚されたものが男である以上、性行為を求められることがあっても断ることは許されないという現代の日本人が聞いたら耳を疑うような条件が提示されたがそれでもカティは志願した。
他にも数名の侍女が志願していたが、それぞれがそれぞれの思惑の元に必要に駆られてのことだった。
そしてカティは志願者の中で一番豊満な胸を持っていたことで
「このままタクト様が私に依存するようになれば……」
純潔を奪われたうえに貴族令嬢でもない、いまのカティを娶りたいという貴族はいないだろう。このまま侍女として生きていくよりはこうして甘えてくる
「そのためには娼館通いを辞めていただかないと……」
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
「それなら最初からそう言えよ。くそっ」
知らないうちに他人の彼女が惚れていたということはあっても自分から他人の彼女を寝取ることは望んでいない。
「しゃぁない、また娼館に行くか」
ひとりで行くのも気が引けて
「
侍女を替えてくれと頼むことはできるがそうなるといまの侍女、サミュラは役目を果たせないということでクビになるらしい。そんな話を聞くと別の侍女と替えてくれとも言えなくなった。
だから今日も
余談:三ヶ月後、
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