第40話
俺達が家に帰った時には流石に
最初に話を切り出したのは
彼女はルゥビスからアンディグに拠点を移すことを考えていた。この意見に異論を挟む者はいなかったが、その方法については少し揉めた。
まず擬態の付与ができたことが前提になるのだけど『俺を捜索に出た二人が二重遭難した』ということにするのが大筋。その報告をポーターとして同行したミドヴィスと擬態した二人が報告にいくというもの。
「先に
「まあ、概ね了解した」
「ん、依頼の話をする。ロスター商会の護衛でアンクロまで行く。出発は六日後」
「行程はどうなってる?」
「馬車で三日の予定」
「そんなに遠くないんだな」
「順調にいけば」
「注意点はないの?」
「普通の護衛依頼と変わらない。気をつけるとすれば林の傍を通る時」
「ライパンの大量発生か」
「ん、問題はその原因が他の獣だった場合」
「その時にならんとわからんというわけだな」
「だから可能性に備えるだけ」
「そうだな」
「ん、だから次。レオとリイサの魔力を混ざり合わせる」
「その前にちゃんと出来るかどうか試さないか?」
露店で買ってきたネックレスを取り出して、それをエイシャと一緒に掌で包み込む。
「じゃあやろうか」
「ん、やる」
互いの掌の間にあるネックレスがほんの僅かに温もりを帯びる。ただそれだけ、俺はそのネックレスに着用者が望む姿で他者に認識されるように変化する。そんな効力を持つというイメージを付与する。
いつも魔力を移譲する時の感覚に似たものがエイシャからネックレスに向かって流れてきて俺から流れていくものと混ざり合う。その感覚が収まったところで
エイシャがそのネックレスを身につけるとゆっくりと変化が現れる。綺麗な白金の長髪は艶やかな黒髪に変わってゆき、この中で一番豊かな膨らみを持っていた彼女は
ゆっくりとその膨らみが小さくなっていく様に俺はつい「あっ……」と声をこぼしてしまった。これは男なら仕方ない、そう、仕方ないんだ。だから、睨むなよ
三十秒かからない間の出来事にみんなは食い入るように視線を釘付けにされた。唯奈以外だけど。
「どう、だった?」
エイシャはまず濡れ羽色に変わったその髪を掌にのせる。そして反対側の手をすっかり小さくなった胸へと持ってゆく。掌は元の大きさのところで止まることなく今の大きさが本当であるかのようにその形に沿うようにあてがわれた。
「ん? レオ触ってみて」
「お? おう」
乞われるままに空いている方の胸に手を当てて揉む。くっ、小さい……
声には出さないが表情には出ていたようでエイシャが頭を撫でてくる。
「エイシャの感覚としてはどうなんだ? 大きさが変わってるだろ」
「ん? 感覚は元のまま、触れると今の状態。不思議」
そう言ってエイシャがネックレスを外すと一瞬で元の状態に戻る。当然、俺の手は膨らみを取り戻したそれに押し返されて反射的に掴んでしまった。
「んっ!」
「悪ぃ!」
「優しく、して」
「あ〜〜〜っ!! そこまでだからね!」
強く背後に轢かれて、俺の手は虚しくも空を揉む。
「もう一度身につけたらどうなるの?」
「ん、やってみる」
さっきと同じような変化が起こり、黒髪のエイシャがそこにはいた。
「成功だな」
「効果の持続性を確認する。今日はこのまま過ごす」
「そうだな」
「どうすればいい、エイシャ?」
「もっとレオと触れ合う。直接魔力を流してもらって混ざる感覚を身につける」
これから行うことをエイシャが告げたところで二人は頬を朱に染めて俯く。その二人を伴って俺とエイシャは寝室に向かう。
「どうやってこの感覚を掴んだか実践する」
ベッドに横になった俺とエイシャ。それを食い入るように見つめる二人の視線が感じられる。
「ひどい怪我をしていたレオに治療魔術をかけ続けていた」
再現するように(着衣状態で)体をピッタリとくっつけてきた。
「私の治療魔術だとかけ続けないと無理だった。そのうちに魔力が尽きて意識を失った」
少しだけ体勢を変えると俺の手がエイシャの太腿に挟まれた。
「この体勢でいると治療魔術をかけ続けても魔力が切れることが無くなった。それにお腹がキュンってなった」
ゆっくりと身体を起こしたエイシャは二人をベッドに呼ぶ。
「ユイナ、リイサ、レオの隣に来て」
促されるままに俺の両隣で横になる二人(着衣)。
「レオは二人の太腿の間に手を入れて」
「いいか?
「う、ん」
「うん」
「二人はその状態で魔術を使って」
「「うん」」
暫くすると
「ん、あっ、ああ、
「リイサは感覚を掴んだ。ユイナは?」
そう問いかけてきたエイシャの言葉に
触れ合う唇を介して
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