4 広まる秘密
頭の片隅。
心の奥底。
ぽつんとゆらめく暖かい光があった。
その気配が近づいてきているのを感じ取って、マキエは立ち上がり、玄関へと向かう。
探知魔法『因影探索』のおかげで、リィムの居場所は把握できている。家に近づいてくるタイミングを見計らって出迎えるのが、いつものパターン。
買い物に出かけたんだから、両手がふさがっているかもしれない。扉を開けてあげないと。うきうきと扉に手をかけ。
「おかえり、リィム……?」
いつも通り、そうしてにこやかに出迎えて、しかし今日は、いつもとちがうことが一つあった。
「ただいま、マキエちゃん」
「ただいま」
かわいいリィムのとなりに女性の姿。
満面の笑みで立っていたのは、サリナだった。
「……いらっしゃい」
「こっちに来る途中で『偶然』出会ったから、いっしょに来たの」
サリナの一言。白々しい。リィムの居場所をわかって出かけたくせに。しかしその内心をマキエはかくす。リィムの前では見せてはいけない。にっこり笑顔をはりつける。
「サリナさんがね、荷物持つの手伝ってくれたの。お店のおじさんがリンゴおまけしてくれたんだけど、運ぶの大変だったから助かっちゃった」
こちらはリィム。純朴で人を疑うことを知らない。
「そう。よかったね」
リィムに笑いかけるマキエの表情は、ひたすらに優しい。
「うん! リンゴおまけしてもらってたくさんあるから、今日のおやつのアップルパイはおっきいの作るね!」
「ほう、それは楽しみだ。期待してるよ」
「うん、待っててね! サリナさん、応接間にどうぞ。お茶入れてきますねー」
リィムは荷物を抱えてパタパタと台所に向かう。それを見送ると、マキエは表情を一変。はりつけた笑顔をはがし、じっとりとサリナをねめつける。
「わ、マキエちゃん、どうしたの? そんな顔して」
一方、サリナはマキエの視線をやわらかな微笑みとともにはじき返す。面の皮が厚い。びくともしない。笑顔の下には分厚い装甲が仕込まれているようだ。にこにこしながら、話しかけてくる。
「それにしても、あの魔法の効果はすごいね。私、久々にぐっすり眠れたよ。いっしょに来ることもできてうれしかったなあ」
マキエとサリナ、おたがいの間では何の話だかわかっている。マキエがサリナに『因影探索』を教えたのだ。
自分にかけられた術の出所を逆探知する魔法。万能ではなく、使い勝手の悪さがあり、人気のないマイナー魔法だが、上手い具合に『魅魔誘引』には使えた。常駐型のデバフなので、それの出元を探知するということは、すなわちリィムの気配を探るということ。
サリナはリィムが買い物に出た気配を察知して、自分も家を出たのだった。
そしてリィムを欲してやまないマキエとサリナにとって、リィムの存在を身近に感じられるのは、精神の安定にとても大きい。現に、目の前のサリナはただにこにこと上機嫌なだけではなかった。明らかに肌つやがよい。ぐっすり眠れたのは本当のようだ。
『魅魔誘引』の禁断症状のつらさはマキエもよくわかっている。なのでサリナを無碍にできないのが、また苦しいところだ。応接間に通して、席をすすめる。ただ、釘の一つもさしておかねば。
「まさか毎日、リィムの買い物に、こうやってタイミングを合わせてくる気じゃないだろうな」
「あら、ダメなの? いい具合に、うちの屋敷とこの家の間に市場があるのよね。そうしたら、来る途中で出会うのはふつうじゃない?」
「場所がよくても、時間が毎回ぴったりだったら、あやしいだろう」
「まさか毎日なんて、そんなバレバレなこと、するわけないじゃない」
その言葉に、マキエはちょっと間を空けて、視線を外すと小首をひねって何か考えている様子を見せた。
それから大きくため息をつく。
「どうだかな。お前、意外にポンコツだからな」
「ポンコツ? ちょっとマキエちゃん、何の根拠もなくポンコツ呼ばわりはひどくない?」
「だってさあ。つけられてるのに全然気づいてないんだもん」
「え?」
そう言うと、マキエの周りにずらりと真空の刃が浮かんだ。魔法で作られたするどい刃。光の屈折具合で、見えないはずのその姿が浮かび上がっている。同時にマキエを中心に、一気に結界が展開する。
マキエが放った刃は弧をえがいて、少し開いていた扉の隙間をぬけていく。
「逃げられないよ」
扉の向こうにマキエが声をかけた。その声は先ほどとちがって、重く威圧するかのようなひびきがあった。
「それに声を上げても無駄だ。今この部屋の周囲は、私の張った結界が音を遮断している」
となりにいるサリナは、その一変した様子におどろいた。マキエは完全に臨戦態勢だ。サリナも戦闘経験豊富な魔法士。だがそれでも一瞬気圧されたほど。
それに魔法の展開。どちらも詠唱は聞こえなかった。詠唱を省いた高速発動で、これだけの規模の術が展開できるのか。魔法士として名高いサリナだからこそ、その難易度がわかる。これが天下にその名を知らしめた戦士マキエ本来の姿。
だが、いったい誰を相手に? 誰の気配もないけれど……。
マキエの次の言葉に、サリナはもう一度息を飲んだ。
「大人しく顔を出しなよ、アリステラ」
「えっ?」
その言葉に呼応するように、今までなかった人の気配が扉の向こうに生じた。
ためらいがちにゆっくりと扉が開いて、そこに立っていたのは、果たしてアリステラ。
赤毛のおさげにそばかすで、実年齢より幼く見られてしまうのが本人の悩みだが、中身は堅実さをほこる実力派の冒険者だ。
「けっこううまく、隠形の魔法で気配を消せてたと思ったんですけどね」
「なかなか見事な隠形術だったよ。さすがアリステラだ」
「こんなあっさり見破られてたら、全然説得力ないんですけど」
「まあ、私は気配を探るのはわりと得意な方だからね。ここにいるサリナはまったく気づいていなかったし、十分に効果があったと思うよ」
字面で見れば一見朗らかな会話。でもマキエの様子はそうではない。扉の方に体をひねり、机に肘を置いたふだんの姿勢なのに、その全身からあふれる緊迫感。部屋中に充満して、この場を支配している。さらに、いつもは「アリス」と愛称なのに、他人行儀な「アリステラ」呼び。ここはすでに戦場だ。
「さて、アリステラ。かしこい君なら当然わかっていると思うけど、隠形術を使って他人の家に上がり込むのは十分に犯罪だ。現行犯をつかまえるのに、すぐに実力行使におよんでもいいのだが、一応理由を聞いておこうか」
マキエの発する威圧感はますます増して、気の弱い女性であればもうこれだけで失神するのではないか、というレベル。しかしアリステラもまた、修羅場をくぐってきた冒険者だった。
「マキエ先輩、サリナさんに何かしましたよね」
「ほう。自分が罪を犯していながら私を糾弾するとは、なかなか度胸があるね」
マキエのプレッシャーがさらに一段上がる。真空の刃はアリステラを取り囲んだまま、ゆらゆらと陽炎のようにゆらめいて、いつでもおそいかかれる状態を維持している。
しかしアリステラは動揺を、少なくとも表には見せない。
マキエは無言で顎をしゃくり、続きをうながす。
「お屋敷でのサリナさんの様子は、最近明らかにおかしかった。すぐバレるような嘘をついて、遠征を休むとか言い出してましたし、気になっていたんです。そうしたら今日、市場でサリナさんがリィム君と歩いているところを見かけました。その様子が異様だったんです。いえ、おかしな言動はなかったのですが、まるで熱に浮かされたような瞳の色で……。考えてみると、サリナさんがおかしくなったのは、この家に抗議に行くと言って出かけ、マキエ先輩に担がれて帰ってきてからです。あの時何があったんですか? お医者さんに来てもらいましたけど、熱もないし、よくわからない、疲れが出たんじゃないか、で終わりでした。でも、そんな症状じゃないですよね?」
表情を変えずにマキエはアリステラを見つめる。
「答えてください、マキエ先輩。サリナさんはうちのパーティの主軸です。これは私の問題でもあるんです」
これだけのプレッシャーを浴びながら、しっかりと受けて立つアリステラ。マキエはそれを見て、にやりと笑う。
「さすがだねアリステラ」
しかし内心はまったくちがっていた。
(勘のいい子なんてきらいだよ、もおおおお! サリナもサリナだ! あっさりバレてるじゃないか! 何が大丈夫だ、このポンコツエルフめ! どうしよう、おどしてだまらせるわけにもいかない。アリスは全然引かないぞ)
ものすごい威圧感をかもし出していたのは、アリステラがひるんで、もうこの件には関わらないと思ってくれたらいいなという、はかない希望ゆえだったが、無駄だったようだ。どうやってこの場を切りぬけようか、色々と言い訳を考えるが、無理筋ばかりで思いついたはしから却下する。
しばらくにらみ合いが続いたのち、とうとうマキエは一つため息をついた。
「お待たせしました。紅茶入れたよー。……あれ? アリステラさん?」
リィムがティーセットの乗ったワゴンを押して入ってきた。
マキエはリィムの気配を常時監視している。リィムがこちらに来るのはわかっていた。つまり時間切れだ。
マキエは、何事もなかったかのような、やわらかな笑顔でリィムを出迎えた。
「リィム、お客様が増えたんだ。すまないがアリスの分も用意してもらえるかい?」
「はーい。いらっしゃいませ、アリステラさん」
リィムは追加のカップを取りにパタパタと台所にもどる。マキエは空いている席に手を差し伸べて、アリステラに着席をうながした。
マキエの急変におどろきつつ、アリステラは席に着く。そしてもう一つおどろくのは、やはりサリナの急変だ。
リィムが入ってきたとたんに、パッと顔をかがやかせている。見つめる瞳はとろけっぱなし。これはどう見ても恋する乙女の表情だが、相手は年端も行かぬ子供なのだ。
リィムがカップを持ってもどってきて、みんなに給仕をする。
「どうぞ、サリナさん」
「ありがとう、リィム君」
サリナの様子はますますひどくなる。いや、ひどいという言い方は適切ではない。ますますつややかに、その色をかもし出すようになっているのだ。これが自分の知っているサリナと同一人物だとは、アリステラには信じられなかった。
「じゃあ、アップルパイ作ってきますね」
「うん、待ってるねー」
見送る声も、まるで魔法がかかったかのようにつやめいている。
サリナは言わばおかたい人物で、色恋沙汰には縁がなく、こんな様子を見せたことはない。
もともと美しく整った顔立ちに清楚な雰囲気をまとい、同性のアリステラでさえドキドキとときめいてしまうような魅力を見せていた人だった。だが、今目の前の人物はそれをはるかに上回っている。そんなはずはないと思いつつ、恋とはかくも女性を魅力的にするものなのかと感嘆する。自分に向けられているわけではないとわかっていても、熱く焦がれる視線にうろたえてしまう。
これは絶対におかしい。何が起きているのか。
そんなアリステラのとまどいを見て、マキエがまた一つため息をついた。
「そうだよな。これを見たら、そりゃおかしいと思うよな」
「ええ。まるで別人なので。何か精神に作用するデバフでも食らったのかと思うぐらいです」
「本当に君は勘がいいね、アリス」
マキエは苦笑しながら、事の次第を説明した。
「……なるほど、リィム君にそんなスキルが……」
一通り説明を受けて、アリステラは納得したようだった。
「聞いたこともないスキルですし、ふつうならなかなか信じられない話ですけど、それぐらいの突飛な原因でなければ、サリナさんの急変は説明できないですよね」
「さっきはおどすような真似をしてすまなかったね。それだけこれは敏感な問題なんだ。アリスにもくれぐれもお願いしたい。このスキルのことが知れわたると、リィムの身に危険がおよぶ可能性がある。リィム自身にも伝えていない。なのであまり公言しないでほしいんだよ」
「身の危険……。そうですね、私のように人間には効かないということは、悪用できちゃいますよね」
先ほどは手を焼いたアリステラの勘のよさだが、事情を知らせたあとでは話が早くて助かる。それに先ほどのマキエの、考えようによっては非常に身勝手で無礼なふるまいも、すんなり許してくれる心根のよさもある。
彼女が味方に付いてくれるのなら、知られてしまったのも望外の幸運となるかもしれない。マキエはもう一つ、懸念を彼女に託そうと思った。
「それでねアリス。できたらもう一つ、サリナのフォローもお願いしたいんだ」
「私の? 何で?」
急に自分の話題になって、サリナはきょとんとマキエを振り向く。
「お前がポンコツエルフだからだよ。何が任せてだ、バレてるじゃないか!」
「ひどい、ポンコツなんて! これはアリスが格別するどかったからだよ。ふつうの人なら大丈夫だよ」
すっかりおなじみとなっている二人のなじり合い。そこにおずおずとアリステラが割り込んできた。
「あの、すいません、サリナさん……。サリナさんの様子が変だなというのは、屋敷の誰もが感じていました」
「ええっ?」
サリナの必死の抵抗はむなしく崩れ去る。
「確かにふだんのサリナさんはとてもしっかりしていて、ポンコツなんて全然思いもしないんですけど、でも最近のサリナさんはふだんとは明らかにちがうので……。それにサリナさん、嘘つくの苦手ですよね……?」
「ほら見ろ」
「そんなあー」
味方と思っていたパーティメンバーの裏切りをなげくサリナ。ただ、それを見ていたアリステラの感想はさらに先があった。乙女のような恋する表情や、今のあわてていたり、なげいていたりする表情は、ふだんは見れなかった顔。そしてそれがとても魅力的なのだ。感情があふれていて生き生きとしている。
ポンコツなサリナさんかわいい、と思ったのだけれど、さすがにそれを言うのは失礼かなと、だまっていたのだった。
しかし、マキエはふだんのサリナとは、顔はおたがい知ってはいたけれど深い交流がなく、よく知っているのはこのポンコツ痴女エルフモードだ。かわいいなんてとても思えない。厄介だとしか感じない。とにかくこれを何とかしなくては。
「とりあえずサリナの様子がおかしいのをバレないようにすれば、これ以上話が広まるのを防げるはず」
「まあ、すぐには広がらないと思いますけど……」
それに対してアリステラの返事は、歯切れの悪いものだった。先輩にあまり失礼なことを言うのはどうかと思うけれど、事態の重大さを知らされてしまったので、それに関わることをだまっていると、むしろまずいことになりかねない。アリステラの声には、そんな板ばさみな感じがにじんでいた。
「なんだ、アリス? 何か気になることでも?」
「ええと……正直言うと、マキエ先輩も相当なので、注目されるのを防ぐのは難しいかなって……」
「何?」
「ほら、私だけじゃないじゃない」
サリナが勝ちほこって胸を張る。今度はマキエがあわてる番。
「ちょっと待って、この痴女エルフと同列に並べられるのは納得いかないぞ!」
「この間、この家に寄らせていただいた時、マキエ先輩、リィム君べったりだったじゃないですか。あれはふつうに小さい子をかわいがっているだけとは言い難い感じだったので……」
アリステラは本当にすまなさそうに、マキエの醜態について感想を述べた。
かわいがっていると言えば確かにかわいがっていた。けれど、その方向性が問題だ。一言で言うとセクハラだが、先輩に気を使って遠回しにほのめかす。
「くっ……」
マキエは自分がセクハラエロ親父と化している自覚がある。なので二の句が継げない。
サリナは言っていることは際どいけれど、初心な身体が破廉恥なことに慣れていなくて拒絶反応を示している。それに対して、マキエは逆。しちゃいけないしちゃいけないと思いつつ、『魅魔誘引』の力に負けそうになり、妥協点がセクハラなのだ。
「それに、すでにマキエ先輩が半引退状態になってしまったのをいぶかしむ声はありますし、注目されるのは仕方ないかと。なるべくリィム君に目が行かないように、ベタベタするのを我慢することですかね」
「無理」
「死んじゃう」
二人は即答した。
真顔で。
真剣に。
選択の余地のない感じで。
「本当にすごい威力なんですね、『魅魔誘引』」
むしろ感心したようにアリステラは言った。
アリステラはマキエもサリナもよく知っている。二人が相当に意志が強く、困難をいとわない人物であるというところをずっと見てきた。その二人が『魅魔誘引』の力の前になすすべなく全面降伏状態なのだ。
「あれ、でもそうすると、マキエ先輩はずっとこの状態だったんですか? 半引退が話題になったの、最近ですけど」
アリステラの疑問に、マキエは首を振る。
「いや。リィムは元々はこんなスキルを持っていなかったよ。リィムの両親と私はいっしょにパーティを組んでいて、子連れでダンジョンにもぐることもあったから、リィムは赤ん坊の頃にギルドの『冒険者の洗礼』を受けている。それでステータスは確認できるようになっていたから、このスキルが発現した時期はわりとはっきりしてるんだ。一年前ぐらいだね。しかも最初はちょっと変だなと思う程度で、こんな強度はなかったよ。サリナがリィムを見たとたんに腰砕けになって、私もびっくりしたぐらいだ」
「あの不意打ちはすごかったなあ。一瞬で意識を刈り取られたもの」
「そうすると、どんどん強くなっていってるんですね?」
「うん、そうだ。特に最近の伸びがすごい」
「どこまで行くんでしょうね?」
アリステラのさりげない疑問に、『魅魔誘引』につかまっている二人は言葉をつまらせた。そう、今この瞬間にも、リィムの誘引は威力を増してきている。対抗魔法をかけて、今はある程度落ち着いているが、その効力を上回ってしまった時、私たちはどうなってしまうのか。
「できたよー」
その時、はずんだ声とともにリィムがワゴンを押して応接室に入ってきた。リンゴのあまいにおいが部屋に広がる。リィムお手製アップルパイの出来上がりだ。
「いや、これはいいにおいだな」
「おいしそう」
「本当だ。いい出来栄えですね」
口々にほめられて、リィムはとてもうれしそう。その笑顔を見て、マキエとサリナは胸の奥をキューっとつかまれる。例えこれが『魅魔誘引』によって引き起こされた気持ちだとしても、今幸せを感じているのは本当だ。
この幸せがずっと続くといいと二人は願った。
「大ババ様、それは本当か」
その時、はるか離れた大陸の奥地。
一人のエルフの女性が、年老いたエルフに問いかけていた。寿命の長いエルフが、見た目も老いて見えるほどとなると、一体どれだけ長い年月を積み重ねてきたのかわからない。
刻まれたしわの一つ一つが深い叡智をたくわえているかのような、重々しい相貌をした老エルフは、その問いかけにうなずいた。
「ここよりはるか東の地に、災いが生まれておる。今は小さな芽だが、これを摘まねばやがて種族全体の存亡に関わるであろう」
長く長く生きた老エルフ。すでに自然の力と同化し始め、世界の流れを感じることができる。
「そうか。摘まねばならぬか」
エルフの女性は老エルフの言葉を反芻する。老エルフはその言葉にうなずく。
エルフの中でも一、二を争う剣技を持つ戦士のその女性は、長い金色の髪をひるがえし、大ババ様の部屋を後にした。
種族のため、大いなる決意を胸に秘めて。
ダークエルフのお姉さんといちゃこらダンジョン生活 かわせひろし @kawasehiroshi
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