第6話 トリニク
ギャルと言えば、オシャレでジャンクな、それこそこの前おごってもらった、ハンバーガーみたいなのを食べるイメージだ。
あとは、ファミレスとかカフェとか。
そういう所で、ひたすらに駄弁っている。
でも、そんなギャルが、今は……
ずるる、ずるる。
「……う~ん、美味しい♪」
うどんを食っている。
いや、ギャルだって、うどんくらい食べるだろう。
そもそも、ここはチョイスしたのは、彼女だし。
それにしても……やっぱり、すごいな。
うどんをすするために、前かがみになるたびに……
思わず、俺も前かがみしたくなる。
つまりは、彼女の豊かな胸の谷間がチラ見えて、たまらない。
ていうか、あれだけ大きいのに、普通に胸元が開いている服を着るとか。
やっぱり、ギャルって貞操観念が緩いんだよなぁ。
だから、きっと、遊びまくりだろうし。
あっ、と俺は気が付く。
彼女のうどんのトッピング。
唐揚げとかしわ天。
両方とも鶏肉だ。
それはバストの成長に効くらしい。
だから、こんなにも立派に成長したのか。
もしかして、頭からっぽなギャルのフリして(失礼だろ)、そこまでも計算づくなのか?
ああ、どちらにせよ、俺はひどく惑わされてしまう。
「……ねえ、ショータ」
「えっ? な、なに、舞浜さん?」
「何か、さっきからさ……」
ゲッ、胸ガン見していたの、バレたか?
「小難しい顔して、どうしたの?」
「へっ?」
「まさか、トイレ? 良いよ、行って来な」
ま、まあ、ある意味、トイレには行きたいけど……
「へ、平気だよ。ちょっと、考え事をね」
「考え事って?」
「あ、えっと……この後、どうしようかなって」
「ふぅん? ちゃんと真剣に考えてくれるんだ?」
「ま、まあ、ここまで舞浜さんにリードされてばかりで、申し訳ないなと……」
「じゃあ、午後はショータの言いなりになるから」
「そ、その言い方は……」
「何なら、リードつけても良いし」
「……ま、舞浜さん?」
「あ、ごめん。ショータみたいな陰キャオタは、そういう妄想が好きなのかなって」
「冗談でも、お昼からヘビーだからやめて」
「うん、ごめん。じゃあ、夜になったらしよっか?」
「舞浜さん……」
「はは、ショータ、珍しくちょっと怒った顔しちゃって」
「べ、別に怒っていないけど……あまり夜おそくに、そんな遊びをしたら、危ないでしょ?」
「うん、そうだね……心配してくれるの?」
「そりゃあ、まあ。舞浜さんは、ギャルで夜遊びも慣れているだろうけどさ。これだけ可愛くて、スタイルも良いと、狙われるから」
ふと、舞浜さんが沈黙し、ジッと俺を見る。
「えっ?」
「……ショータって、何気にあたしのことを口説くよね」
「く、口説く?」
「まあ、お試しとはいえ、付き合っている訳だし。口説くも何もないか」
「あ、あはは……」
「でも、女子はその可愛いのために命をかけているから。言ってもらえるだけで、日頃の努力が報われるよ」
「そっか……じゃあ、舞浜さんも、日頃から色々と努力しているの?」
「もちろんだよ。メイクとかスキンケアとか」
「ああ、なるほど。メイク、上手だよね。男で素人の俺から見ても」
「ありがと。あと、バストアップもがんばっているよ」
「ぶふっ!」
「ちょっ、ショータ、ウケる」
「ゲホッ、ゴホッ……ま、舞浜さん?」
「気付いていた? このうどんのトッピング、唐揚げとかしわ天、両方とも鶏肉だよ。バストアップに効果バツグン♪」
「へ、へぇ~」
ガチでその通りじゃないか!
「や、やっぱり、女子ってみんな、胸が大きくなりたいの?」
「まあ、大きな武器になるしね。それに、だいたいの男子は巨乳が好きでしょ?」
「いや~、そんなことは……」
「かっこつけても無駄だよ。さっきから、あたしの胸ガン見しているし」
「ギクリ」
「ウケる」
「……ごめんなさい」
「良いよ、謝らなくても。さっきみたい、キモオヤジにされたら、死ぬほど嫌悪感だけど」
そう言う舞浜さんの顔つきが、メチャ怖くて軽くチビりかけた。
「でも……ショータみたいに可愛い陰キャくんなら、いくらでも拝ませてあげる」
「……さ、さっきから、俺のこと陰キャって言うけど……そこまでじゃないし」
「じゃあ、ダサ男くん♪」
「……陰キャで結構です」
俺はガクリとうなだれる。
まあ、自分でも、陰キャ寄りとか言うの、面倒だったし。
今日から僕、陰キャとして生きまーす(白目)。
「で、ショータ、午後のプランだけど」
「あ、うん。えっと……」
どうしたものか、と焦って悩む。
「……じゃあ、欲望に素直になってみようか」
「よ、欲望?」
「もう、分かっているでしょ?」
舞浜さんは、ニヤリと笑う。
頬杖を突きながら、挑発的に。
「とりあえず、童貞卒業のステップのために……モミモミする?」
ぎゅむっ、ぎゅむっ。
と、テーブルに押し付けられる巨乳(推定Fカップ)。
日頃から、バストアップに努めていることが判明し、その見た目だけでなく、質も良好と思われる。
つまりは、素晴らしき、ギャルパイ。
まさか、それを……
「……モ、モミモミ?」
「うん♡ どうする、童貞くん?」
そんな可愛い笑顔で、俺のことを困らせないで欲しい。
次回予告
午後のデートは、舞浜さん宅にお邪魔する。
両親もいないから、2人きりで……
「……あん、ショータってば、初めてなのに上手♡」
すごく肉厚で、揉み応えがあって……
「これね、いっぱい揉めば揉むほど、後で美味しくなるから……」
「そ、そういうものなの?」
初体験の俺には、分からないことだらけで。
彼女の官能的な口ぶりに、ゴクリと息を呑む。
「ほら、サボらないで、もっとちゃんとモミモミして?」
「は、はい……」
またしても、この遊びまくりのギャルに、遊ばれてしまう……
次回、乞うご期待!
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