第22話 対中半導体輸出規制で…

 この件のニュースでいつも台湾のTSMCの話が出てきますが、世界最高技術の会社と書いていますが、それは実態に合っていますが、本質とは違うような気がします。


 これはファンダリという受託製造の会社でありますが、半導体を製造するための機械を買って、クリーンルームの設備を買ってきて、半導体の材料を買ってきて、組み立てて製造する会社です。


 自分自身で技術開発することもありますが、必要な製造機械はオランダのASML、ASM(オランダASMと言っても新潟県長岡市の会社で製造している機械もあります。長岡市にASMの工場があるから)、日本の東京エレクトロンなどの機械です。


 クリーンルームは北越コーポレーション(新潟県長岡市)が製造するクリーンフィルター。


 そして信越化学工業(本社東京・新潟県上越市、いわき市、などに工場がある)などがつくるシリコンウエハを材料を買ってきて組み立てているのが「受託製造」会社です。


 そして回路を設計するのは主にアメリカのシリコンバレーの会社。


 半導体産業は国際的な分業によって成り立っているのです。


 どれか一つ欠けても半導体はできません。日本製の機械やシリコンウエハ、フォトレジスト、フォトマスクブランクス、クリーンフィルターが無ければ半導体は作ることができないのです。



 受託製造だけに目が行って、日本の半導体業界はダメだというネットニュースを見ますが、分業でなりたっているこの業界の本質がわかってないと思います。


 アメリカは回路設計という河川でいわば「上流」の部分を受け持ち、日本は材料、機械という「中流」の部分を受け持ち、台湾は製造という「下流」の部分を受け持っているのです。


 上流の中心はアメリカのシリコンバレーであり、

 中流を受け持つ日本の半導体産業の中心となっているのは新潟県でしょう。

 下流の部分は人件費の安い国になっています。

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