34,白川ユキの献身
「…………えっと、
「んぐっ……いや、一人で
「そんな、まだ体調が戻ってないんだから
「…………いただきます」
現在、俺はユキにおかゆを食べさせてもらっている。何でも、しばらくの間俺の世話をユキが見ると言って自ら
けど、俺が
「はい、あ~ん……」
「あ、あ~ん…………」
ああ、これはあれだ。俗に言うくっころという奴だ。
どうしてこうなった?いやまあ、俺が無茶したのが
……ぐぬぬっ。
と、
「おやおや、ずいぶんとまあ
「まあまあ、ずいぶんと
くすくすと笑う声に、俺とユキは同時に顔を真っ赤に
だが、そんな状況下で何を
「は、はい……あ~ん」
「ま、マジか……」
ユキの顔は真っ赤だ。どうやらユキもかなり恥ずかしいらしい。いや、恥ずかしいなら
もう、どないせえっちゅうねん?
くっ、恥ずかしい。恥ずかしいけど此処は
そんな俺達を、ドアの向こうで
「姉さん、聞いたか?あ~んだってさ」
「聞いたよアキト君、あ~んだって」
……くっ。
「あ、おかゆが
「…………え?」
え?マジで?
いや、ちょっと待とうか。身体を拭くってつまり服を
いや、其処の二人組も。何を
「ちょ、
結果、俺は上半身裸でユキに身体を拭かれた。下半身は、何とか
少しだけ、ユキの
「……じゃあ、後はゆっくり
「あ、ああ。分かっている。分かってるからもう一人にしてくれ。これでも
「……それは、私だってそうだよ。けど、こうなったのは私の
「それは、
「…………けど、やっぱりこれは私の責任。私なんかの為に、クロノ君が
「…………ユキ、一つだけ言わせて
「……?」
「ユキが自分の事にどれほど罪悪感を
「……………………ごめんなさい」
そう言って、ユキはそのまま
「……………………」
……やっぱり、ユキは今回の件でかなり重く責任を感じているようだ。そこまで責任を感じる必要はないと言っても、この通りだった。
部屋を出ていく前のユキの表情。
やっぱり、俺はユキの事が
「……で?
「いやいや、ずいぶんとまあユキとの距離を
「いやはや、ずいぶんとまあユキと仲の良い事だな?クロノ」
そう言って、からかい気味に俺へ話しかけてくるエリカとアキト。その手には、それぞれ切り分けたリンゴとミカンの入った
どうやら、お
いや、お見舞いに来てくれたのは
「お見舞いに来たなら、素直に入ってくれば良いのに。どうしてそんなこそこそと」
「いやいや、そんな
「そうよ、それにクロノ君だってユキに
「それは、まあそうだけど……」
「「おおっ、ついに本人が
うん、まあずいぶんとにぎやかだな。
言った俺自身、こんな事を言って恥ずかしいとは思う。けど、下手に
「別に、俺自身気付いたのはごく最近だぞ?気持ちに気付いた矢先に
「そりゃまたずいぶんと
俺の言葉に、アキトが
けど、そうなった
「俺自身が悪いのさ。やっぱり、俺が無茶をしたのがいけなかった」
「それが分かっているなら、
「うぐっ、それだけは絶対に嫌だ」
エリカの言葉に、俺は深く
分かっているよ。もう、無茶はしない。
「じゃあな、ユキと
「じゃあね、ユキとの
「いや、話が
「「はははっ、ではさらばだー‼」」
そう言って、二人は揃って部屋を出ていった。それにしても、あいつらは普通に受け入れてくれるんだな?俺の、ユキに対する
いや、流石に結婚や子供とかは飛躍しすぎているけどさ?
……しかし、無茶をしないって
いや、ユキを悲しませたくないというのは
けど、同時にユキの
「だけど、そんな事は言い訳にすらならないよな」
そう、そんな事は言い訳にすらならない。言い訳などして良い筈がない。
俺は
・・・ ・・・ ・・・
この時、クロノはもしユキの身に何かがあった場合自分自身を
だが、その確信が単なる事実としてすぐに
白川ユキは、遠藤クロノに助けてもらった
それが、単純に
そう、計り違えたのだ。
その事実が、もうすぐとんでもない
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