25,覚醒~めざめ~
意識が
しかし、思い出せない。思い出せないけど
それにしても、此処は
意識が完全に覚醒してゆき、徐々に状況が
今は怪物達は何処かに出ているのだろう、姿が見えない。チャンスではあるのだろうけれど。本当に、誰も居ないのか?ふと疑問に思う。
少し腕を
見た所、どうやら二~三匹程度の数が監視しているようだ。ならば問題ない。そう思い、俺は全力で手足を拘束している鎖を引っ張った。
今の俺なら、この程度の
甲高い音と共に、鎖が引きちぎれる。全力で異能を発動した
しかし、その炎が俺を
炎の塊と化した俺はそのまま鉄製の檻を破り、物陰から
焼き尽くされる蛇達。だが、今の
「
「くっ、この
「
「くっ、来るなあああああああああああああああっ‼…………げひゃっ‼」
次々と、怪物達を
以前、甲殻バジリスクの
殺さなければ殺される。殺さなければ
だが、今は良心の呵責を抱いている暇はない。胸を押さえながら、俺は更に意思を
もっとだ、もっともっと。まだまだ俺は
際限なく
真っ直ぐと突貫して、俺は怪物達を焼き尽くしてゆく。焼き殺してゆく。
ズズウゥンッ…………‼
鈍い音が、振動と共に俺の許に
確たる
外の光が見えた。瞬間、俺は迷う事なくそのまま
……其処には、無数の怪物の死骸と共に対立するユキとオロチが居た。
・・・ ・・・ ・・・
時間は遡る。
ユキは走っていた。恐らく、オロチが根城にしていると
ユキは
ヤスミチさんは、
そもそも、クロノが生きている
そんな生死すら
ユキは信じていた。クロノの事を信じていたのだ。
彼ならまだ生きていると。まだ、生きてくれていると。ユキは信じていた。
だからこそ、仲間達の
「クロノ君……必ず助け出すから。
ユキの
意識を切り替える。ユキの目前に、地下大空洞へと
怪物の
「我が
「……クロノ君は
「奴はまだ
「殺せなかった?」
オロチは首を
「我らが主、アバターよ……」
「……その
ユキのその言葉に、オロチは歯を
しかし、その行き場のない感情を寸でで
「しかし、貴女は本来我らの
その言葉に、首を左右に振ってオロチを
「だから、その名で呼ばないで。私は元より
「っ、
オロチは憤りと焦燥を
「私の
「それは
「それでも、だとしても私はもうあんな間違いは犯したくない」
そう言い、ユキは
そんなユキの
泣きそうな悲しげな表情で。それでも覚悟を決めて。
「オロチ、私は貴方を
洞窟からわらわらと、夥しいまでの数の
「何故だ!何故、
「私は人間だ!人間として生き、
「それでも、貴女には我らしか……我らには貴女しか居ないのだ‼」
「それでも、それでも私はもう二度とあんな間違いは犯したくないっ‼‼」
悲痛なまでの絶叫が
大陸すら
「オオッ、オオオッ…………オオオオオオオオオオオオオオオッッ‼‼‼」
オロチのその声は、もはや悲鳴に近かった。
もう二度と、間違いなど犯してはいけないから。犯したくないから。だからこそ、ユキは戦う。刃を振るう。
かつて、
そして、ついにその場にはユキとオロチのみになった。その時……
「ユキっ‼」
「っ、クロノ君⁉」
洞窟の入口に、
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